JICA海外協力隊の世界日記

ベトうし日記

子牛の病気を減らせ②

こんにちは、大藤です。

子牛の病気で困っている当牧場ですが、そもそも予防よりも治療に専念している感じがします。

子牛の下痢や肺炎がなかなか治らず、長引いた結果、衰弱して死んでしまうのを治療で何とかしたい、そう考えているようです。

そこで日本ではどうやって治療してるんだ、と赴任当初はよく聞かれましたが、実際あまり違いはありません。

しかし、適切な治療をしても日本で治療していた時と比べてその効果が薄い…。

その原因として考えられるのが、気候など環境の違いと、子牛自身の病気と戦う力、つまり抵抗力。

ここで飼われている乳用牛は、日本でも一般的な白黒の牛、ホルスタインです。この品種は北欧原産で、そもそも暑さに弱い。

そんな牛たちにとってベトナム南部のサバナ気候は大きなハンディキャップとなっています。

暑熱ストレスが子牛の免疫力を下げてしまっているのでしょう。

他にも子牛の抵抗力を下げる要因がここの子牛たちの周りにはたくさんあります。

前回挙げた初乳の問題もそうですし、飲ませている牛乳の質、複数の子牛をまとめて世話する多頭飼育(これは幼稚園や学校で感染症が伝染するのをイメージしてもらえばわかりやすいでしょう)、牛舎の構造上の問題、解熱剤やステロイド剤の多用など。

どんなに腕利きの獣医師でも、高価な薬でも、こうした環境で罹った病気を治すのは至難の業でしょう。

逆に管理の行き届いた牧場のちょっとした病気は放っといても勝手に治ります(もちろん放っておいたりはしませんが)。

これは子牛の病気に限らず、母牛のほとんどの病気に言えることです。

というか、人間も含めあらゆる生き物に言えることだと思います。

予防は治療に勝る。

この一年、そういった考えや、具体的な改善例をことあるごとに話したりレポートとして提出したりしてきました。

最近たまに、そういった考えが伝わってきたかなぁと感じるときは嬉しいですね。

依然として病気は減りませんが。

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