JICA海外協力隊の世界日記

ルワンダかけはし通信~ブホロ ブホロ

ルワンダの気候と水事情について

ルワンダについてイメージを持って貰うために、今回はルワンダの気候と水事情について紹介します!

■気候について

ルワンダは地図で見ると赤道のすぐ南に位置する為、非常に暑い国と思われるかもしれません。しかし、海抜1,000~4,500mと標高が高い為、想像に反してとても過ごしやすい気候です。天気の良い日の日中は暑いですが、朝晩や曇りの日は涼しいので上着を一枚羽織って丁度いいくらいです。湿度も低くからっとしている為、日本でいうと5月のさわやかな気候のイメージが近いと思います。

雨季は年2回、3~5月、10~11月です。私がルワンダに到着した時は丁度雨季の最中でした。朝昼夜問わずバケツをひっくり返したような雨が突然1~2時間程降ります。日本では経験したことのないような豪雨で屋根に穴が開くのではないかと思うくらいの衝撃でした。雨が降ったらとりあえず雨宿り。仕事もすべて一時停止です(とても外を歩けません)。

日本と異なり雨が降ると肌寒くなります。恐らく標高が高い為、日差しが遮られると気温が一気に下がるのだと思われます。ルワンダ人に「日本の梅雨は雨が降って暑いんだよ。」と話したところ、「雨が降る日は寒いものだよ!日本は暑いのか!」と驚かれ、気候一つとってもこんなにイメージが異なるのが印象的でした。この時期のルワンダは緑が溢れています(前回の投稿の4月の景色をご参照)。

打って変わって8月の今は乾季の真っ只中です。毎日天気が良く、時々曇り空にはなるものの、雨は全く降りません。砂埃が舞って木々の葉に積り、全体的に赤茶けた風景になってきています。

【写真①:7月、乾季の景色@東部ルワマガナ郡】

■水事情について

乾季の最大の課題は「水不足」です。私の住んでいる東部ルワマガナ郡では乾季の水不足が特に顕著です。我が家には「水タンク」が設置されており、水道公社から供給される水はこのタンクに一旦溜め、各家庭の水道へ通します。飲料水は近所のお店でペットボトルの水を買っていますが、生活用水はこの水道水を使います。(ただし、全家庭に水タンクが設置されている訳ではなく、未設置の家庭はそれぞれで備蓄している水を使います)

【写真②:我が家のタンク】

乾季は水道公社からの水供給の頻度が極端に落ちる為、断水になりがちです。これを執筆している現在、水道公社からの我が家への水供給が止まって3週間目になりました…。タンクの水も尽きると、ジェリカンと呼ばれるケース(日本でいうポリタンク)に備蓄しておいた水を使います。これも尽きると、水売りのお兄さん(水源で水を汲み、自転車で運んで販売)から水を買って凌ぎます。東部は水源が少ない為、水不足になりやすいそうです。

【写真③:水売りのお兄さん】

初めて断水になった日は日常生活がほぼストップしてしまい、「生活の起点は水にあり」、という事を痛感しました。今では節水術も大分身についてきました。水の大切さを感じながら、「人間、環境には適応するものだな」と思う日々です。

とはいえ、ルワンダ人も慣れてはいるものの乾季の水不足には困っている様子。この時期の朝の挨拶はもっぱら水についてです。同僚とも「今日も水が来なかったよ」「それは大変だ。この時期は乾季だから仕方がないね」「明日には来るといいね」「ジェリカンをたくさん備蓄しておいた方がいいよ」と話題になります。

ルワンダも国策として生活水の普及率を向上させようと奔走しています。「VISION2020」と呼ばれる国の政策プランには「2020年までに全国民が衛生的な水へアクセスできるようにする」、という事を明確に掲げており努力しています。が、まだまだ道のりは厳しそうだというのが肌感覚です。

【VISION2020(P15)】

http://www.minecofin.gov.rw/fileadmin/templates/documents/NDPR/Vision_2020_.pdf

また、ルワンダでは人口の80%程が農業に従事しているので、農業用水の確保も大きな課題です。日本も無償資金協力でルワマガナ郡の灌漑用水の確保をサポートしているようです。

【JICAプレスリリース「ルワマガナ郡灌漑施設改修計画」】

https://www.jica.go.jp/press/2016/20170331_04.html

多くの国民が衛生的な水へよりスムーズにアクセスできるといいな、と思いつつ、毎晩眠る前に「明日には水が来ているといいなあ」と祈る、乾季の今日この頃です。

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