JICA海外協力隊の世界日記

クズ・ザンポーラ♪ 幸せの国の農場便り♪

東部出張♪

クズ・ザンポーラ♪世界中の皆さん、こんにちは♪

気が付くと、10月も終わり11月に入ってブータンも秋から冬へと向かっておりますが。

先日にも投稿致しました任地での稲刈りの翌日から今度はブータン東部方面への業務出張を1週間かけて行って来ました♪

私の任地であるパロ県から最東部の県のタシヤンツェ県まで車だと約26時間…!?

こう書くと驚かれる方も多いかと思いますが、ブータンの国内移動は「とても過酷」なのです。

と言うのもブータンでは自然保護や国定公園の維持等の様々な理由で国内の東西を走る1号線には山を貫くトンネルや大きな橋はほとんどなくて、道路が山肌に沿った形で存在している為、直線距離で150Km程度の移動に約600Km近くかかる状況なのです。

さらに、ブータンは夏場は雨季となる為、道路沿いは土砂崩れが起きやすく、逆に冬場は雪や道路凍結により危険が伴う状況で道路工事の絶えない状況になっている為、悪路が多くて「とても過酷」と言われております。

その上で今回の出張の目的は東部に有る国の研究農場と自身の配属先であるNational Seed Centerの関連農場の視察が目的で、個人的には移動の間に標高差が3000m近く変わる為、その間の植生や気候、自然の変化等の知見も得る事でした!!

そして、一枚目の写真は旅の途中で通った標高3400mのヨトン・ラ(ラは峠の意味)にたくさん掲げられていた五色旗の「ルンタ」になります。

このルンタとは1枚1枚に仏法が書かれており、これが風によってなびくことでその仏法が風に乗って広がる様に願いがこめられており、ブータンではお寺や山等では良く見かける旗です。

また、このヨトン・ラの他に任地のパロ県から目的地のタシヤンツェ県まででこの様な日本の富士山クラスの峠であるドチュ・ラ(3150m)、ペレ・ラ(3360m)、トゥムシン・ラ(3740m)等を越える事になります。

こちらの2枚目の写真は標高が任地よりもやや低く、東部のモンガル県に有るブータン国内の農業研究施設での写真となります。

写真から見て判る方は気付くと思いますが、先日稲刈りを終えたばかりの任地の気候とは異なりこの研究農場では植生が豊かで熱帯系の植物も存在し様々な花がまだ咲いている状況でした。

こちらの研究農場では自身の配属農場の農場長がかつて勤務していた地域で友人の方が務めており、その方による案内で様々な施設を回らせて頂き、この農場には日本の品種を含めた多くの野菜や果実の栽培研究が行われていて、シードバンクや造園や育種研究等もされておりました。

ただ、ここでは今回の出張で大きな成果?とも感じる事を知ることが出来ました。それは、研究農場の方々とお話しをしていて、私達と同様に抱える共通の課題がこの研究農場にも有る事を知る事が出来て、それらに関しての情報共有の重要性を改めて知る事が出来ました。

また、こちらは最終目的地であるタシヤンツェ県にある配属先の関連農場の視察時の写真です。

この農場は私達の農場と標高と近い為、気候が似ており、栽培している作物も類似している為、現時点での状況や今後の対策等も色々と議論をする事が出来ました。

移動に約3日間かかる為、同じ配属先の仲間でも直接、会って仕事の話しが出来るのが年に1、2回位の事を思うと今回の議論はとても有意義な時間となりました。

今回の投稿では「標高」のお話しが良く出て来ますが、このブータンでは標高がその地域の気候を大きく左右する事になり、それによって育つ植物も変わります。

ブータン農業の特徴としては西部は平均的に1戸農家の耕地面積がやや広く夏多雨気候の影響で稲作栽培が中心ですが、東部は今でも斜面圃場を利用したトウモロコシ栽培が多いです。果樹に関しては標高が1200m付近の地域では柑橘類が盛んで、それよりも標高がやや高いと林檎や桃、柿等、またそれよりも低いと熱帯果実の栽培が盛んになります。

面積としては九州位しかないブータンですが、標高が7000m級の山岳から500m近くの平地が存在する事で、国内において様々な野菜や果実が栽培できるのはとても興味深い環境に改めて感じます!!

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