JICA海外協力隊の世界日記

赤い土に暮らして

卒業式

12月8日、晴天にめぐまれた卒業式。
1人の卒業生に対し5人以上は家族が来てるんじゃないかと思う賑わいで、晴れ晴れした日だった。
日本と同じように、来賓などから祝辞がある。言わずもがな長い話もある。だけどモザンビークらしく歌で祝辞を送る人もいる。来賓があいさつで歌いだせば自然と卒業生も歌いだし、大合唱になる。また喜びを表すのに、ダンスがあるのもモザンビークらしい。踊りだすと収拾がつかなくなるので、逐一先生がなだめに入るのも面白い。

この日、237人の生徒が1年間の教育を終えて、小学校の先生として巣立っていった。しかし翌年、教職につく生徒は半分もいないという話をきく。正しい統計があるわけではないけど、街で卒業生にあった際にまだ仕事を得ていないと聞くことがある。

モザンビーク全土を見たときに、教員数は決して足りているとは言えない。同時に学校数・教室数も足りていない。1つの教室で30~70人が学ぶ現実がある。そしてそこには教員一人。
田舎よりも町の方が教育の質が良い。両親の所得も影響している。よって教員になる子は比較的インフラの整備された地域出身の子が多い。そんな子はド田舎の学校配属の辞令を蹴ってしまう。(田舎の学校は教員住宅が水道無しの藁ぶき小屋であったりする)
教員の初任給は安い。初等学校の教員免許という資格を持って、他の職につく子がいる。
7年生までが義務教育のモザンビーク。それ以上の教育はお金がかかる。同校を卒業しているということは、10年生以上の中等教育を終え、高等教育を修了したことになる。家柄・教養の保証となり、いいところにお嫁に行ける。もともと教員になる意思はなかった生徒もいる。

など、いろんな要素があって実際に教員になる子は少ない。私は教員にならなくても、家庭やコミュニティで学んだことを伝えていってほしいと願う。

―――
わたしはこの日、卒業生以上に気合を入れて、モザンビーク人の生活に欠かせないカプラナと呼ばれる布で仕立てた浴衣で出席。いつも以上に「求婚」され、モテモテの一日だった。

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