JICA海外協力隊の世界日記

赤い土に暮らして

聖地巡礼

わたしは「巡礼」という言葉からムスリムの人々が行うメッカ巡礼がぱっと思い浮かぶ。だけど聖地巡礼はムスリムの人に限ったことではなく、宗教上の聖地や霊場に参拝することを指すようだ。ここナマアシャには1944年に建てられたカトリック教会(Santuário de Nossa Senhora de Fátima da Namaacha)がある。1975年にポルトガルから独立したことを考えると、歴史ある教会であることは言うまでもなく、アフリカで最初のポルトガル・ファティマで起こった聖母の出現に捧げるために作られた教会だという。

この歴史あるカトリック教会を目指し、5月13-14日におよそ3万人の巡礼者がやってきた。(毎年5月の第2週が巡礼)かねてからお伝えしているように、私の町は山の上。土日に行われるミサに向けて、木曜日から山を登ってくる人もいる。普段は大通りであっても人の姿はまばらだが、この日はすし詰め状態。普段の穏やかな町とは打って変わり、人ひとヒト!空き地には野宿するためのテントが並び、出店なども所狭しとできていく。

土曜日の午後からミサは始まり、各地からやってきた巡礼者は歌や踊り、お供え物を伴って神をおもう。
また夜にはロウソクの火を手に、マリア像とともに町を周回する。何万人もの人が歩みを始めるには、相当な時間がかかり、寒さも相まって、私たちは早々に家に引き上げてしまった。

ここモザンビークは、国民の4割、わたしの任地ナマアシャでは9割の人がキリスト教を信仰している。
キリスト教は植民地時代にもたらされたもので、見方によっては植民地支配の名残と捉えることもできるけど、ここナマアシャでは人々の生活に根付き、そして美しい文化を作り上げている。讃美歌もほとんどが現地語のシャンガナで歌われ、ポルトガル語を聞くのはわずか。讃美歌集を持ってる(買うことが出来る)のは一部の人だから、子どものころから聞くうちに耳で覚えたのだろう。モザンビーク人の生活の中で歌やダンスは欠かせない、ミサの間も良く歌い、ダンスが始まる。キリスト教はヨーロッパからやってきたものだけど、アフリカをひしひしと感じる。
こうやって現地の文化を肌で感じれるのも、隊員生活の醍醐味だと感じた日だった!

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