JICA海外協力隊の世界日記

KIROのアオリータ日記

5S普及活動

 オラ! コモ・エスタ? メキシコ、サン・ファン・デル・リオで活動しているシニア海外ボランティアのKIROです。

 今回は、活動状況の紹介です。

 私は、首都のメキシコ・シティから北へ200km程離れた中央高原地帯の小さな町にあるサン・ファン・デル・リオ工科大学で、大学生や周辺の企業に品質管理の指導をしています。

 この中で、現在力を入れているのが「5Sの普及活動」です。

5Sは、日本で生まれた生産管理手法の一つで、日本の企業などに採用され効果を上げている活動ですが、メキシコでは5Sの言葉は知っていても企業で実際に活動を行っている例は少ないのが現状です。

私の5Sセミナーの特徴は、2つあります

 一つは、5S活動の実績写真を沢山使用して、5Sは何かを分かりやすく説明していることです。文字を少なくして、写真で5Sを理解してもらうやり方は好評を得ています。

 もう一つは、5Sをセミナーの中で実際に体験し、そのメリットを実感してもらうことです。そのために2種類のゲームをセミナーに取り入れています。

 一つ目の体験教育は、「整理・整頓トレーニング・ゲーム」です。

スパナとドライバーを絵の描かれた袋に入れるという単純なゲームですが、スパナとドライバーの本数が袋の数以上あるので、不要なものがあることに気づかないと正しく整理できません。 今までの正解率は30%位で、ゲームの後で参加者に先ず「使うもの」と「使わないもの」に分けることから始める必要がると説明すると納得してくれます。

 二つ目の体験教育は、レゴ・ブロックを使用した「5Sシミュレーション・ゲーム」です。これは、前の任地で同期の仲間から教わった手法で、部品や材料に見立てたレゴ・ブロックを紙に描かれた倉庫に5Sを使って収納するゲームですがいつも大好評です。 ブロックやブロックを載せるパレットには積み上げ段数の制限があったり、使用期限の月数表示があったりして配置に注意する必要があります。いろいろなサイズのブロック約600個を決められた時間内に整理し終るのは大変なようで、いつも参加者が真剣に取り組む姿を見ることができます

 ゲームを通じて、「5Sは物を整理する強力な手段である」、「作業を一緒に協力して行うことが重要である」ことを学んで欲しいと話すと参加者は皆さん素直にうなずいてくれます。この時に本セミナーで伝えたかったことが理解してもらえたことが分かり、やって良かったと感じる瞬間です

 今年の9月30日、JICAオフィシャル・サポーターの北澤 豪さんが大学を訪問し、この5Sセミナーに参加。「5Sの指導のやり方が素晴らしい。大きな成果がこれから期待できます。」とのコメントを頂きました。

 本セミナーは、今年1月にメキシコに赴任してから 合計11回、400人以上の大学生や企業の人達に実施し毎回大好評を得てきました。 これからも5Sセミナーを継続し、20回、約600人を目標に普及活動に力を入れていくつもりです。

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