2020/02/27 Thu
活動
できそうにないことをやってみる


こんばんは、セントビンセントおよびグレナディーン諸島のマーケティング隊員の岡です。
今日は私が派遣されている視覚障害者協会の新しい試みの紹介をしようと思います。協会では視覚障害者の人たちの新たな安定的な収入獲得の手段を探しています。その一環として、古雑誌などを使ってペーパークラフトを作ってはどうかと提案しました。
写真は実際に作ってみている様子になります。もともと籐の家具の修理で編むことには慣れていたのでその応用ですね。紙の方が籐より柔らかいのでコツを掴むまでたいへん苦労しました。
写真はバスケットを作ろうとしているのですが、バスケットの骨格になる芯の部分と編み込んで積み上げていく部分があるんですが、指先で触るだけじゃその2つを区別できないんですね。素材が同じなので。さて、どうすれば区別できるかと頭をひねったあげく、思いついたのが芯の棒には竹串を突き刺して無理やり固くしてしまうことでした。
こうすることによって、編み込んで積み上げるべき部分と芯として支える部分の区別ができるようになりました。
途中、何度となく投げ出しそうになりながらもなんとか作り上げることができました。若い彼らにとってはかなり自信になりました。
しかし、さっそく売ってみようとしましたが、「素材が紙じゃね」「色塗ってないんじゃね…」と厳しいご意見。
苦労して作ったのにぜんぜん売れません。
困ったなあと思いつつ、「だったら、色を塗ってやろう。ペーパークラフトのバリエーションも増やしてみんなを驚かせてやろう」と考え、彼らの人生で初めて絵具と筆を使って色を塗ってもらい、単純な編み物のバスケットだけでなく、複雑なパターンのクラフトの箱を作って見ることにしました。
目が見えないので、きちんと絵具が筆先についているか判断できません。筆先だけでは繊細過ぎて絵具の気配を感じ取れないのです。塗っても濃淡がでてしまいます。彼らにとってはうまくやれているつもりでも、私の目にはNG。これではまた、ああだこうだ言われて買ってもらえません。そこで、彼らの気分を害さないように、商品のクオリティを上げるために2度塗りをしようと説得し、2度塗りによってうまく塗れていないところをカバーすることにしました。


パーツを細かくして、何色か色を塗り、丁寧に組み立てたのがこれです。
すごくないですか。(私のサポートがありますが)目が見えてないんですよ。
とても良いものができましたし、これは誰も文句を言わないだろうと思っていると、これが思わぬ結果を招くことになります。
To be continued....
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