JICA海外協力隊の世界日記

カリブ海の小国・セントルシアでの防災活動日記

職種の「防災・災害対策」?

はじめまして。2021-7次隊・職種は防災・災害対策の太田雄三です。私は もともとは2019年3次隊(二本松訓練所)でジャマイカへの派遣予定でしたが、パンデミックのために派遣直前に延期となり、2022年2月から東カリブにある淡路島くらいの小さな島国・セントルシアに振り替えて派遣されています。カリブ海はハリケーンの発生場であるため、大雨による洪水・土砂災害・暴風による建物損壊が問題になっています。また、地震や火山もあるなど自然災害が多い地域です(地域特性や災害の特徴については、別にまとめて書きます)。この日記では、私の防災活動を柱として、カリブ海に浮かぶ美しい島・セントルシアを紹介したいと思っております。写真は自宅から見るカリブ海の景色です。

今回は、職種の「防災・災害対策」を紹介します。「防災・災害対策」は、協力隊事業の中でも「稀少職種」とも言われる位置づけで、いまいち何をやっているのか分からないという声をよく聞きます。派遣実績としては、行政・消防の経験者が多いようですね。まず、防災活動は幅が広いです。パンデミックも災害ですし、自然災害の他に人災も含まれますので、ほぼすべての分野が含まれています。理系・文系を問わず活躍の場はあるでしょう。むしろ、途上国の場合、理系の大学講座がないこともあります。実際、僕の同僚にいわゆる理工系の人はいません。また、いわゆる「ひと・もの・かね」の「3ない」状態なので、工事などによるハード対策ができないという現実もあります。このような実態から どうしてもソフト対策が中心になるので、必ずしも理系出身にしかできないことではないでしょう。

防災活動は住民1人1人までが関係しますし、さまざまな役割がありますので、たくさんの組織(役所・民間会社・コミュニティ・ボランティアなど)が連携して動く必要があります。例えば、日本でも大きな災害があったときにはボランティアが活動しますよね。こちらでも同じです。もし、災害ボランティアの経験があるのならば「防災・災害対策」の協力隊員になる十分な余地があるのではないでしょうか。最近では、障害者やジェンダーに対する課題も解決することも求められていますので、裾野は広がってきていると思います。

さて、私自身は 建設コンサルタントで地質調査・土木設計をやっていました。大雨が予想された時には事前に待機し、土砂災害などがあれば直ぐに現場に駆けつけて調査をしていました。「災害そのもの」の現場側の人間だったということですね。もう1つ、GIS(地理情報システム)を得意分野としていました。危険地域や調査結果などの情報を分析・可視化して、迅速に共有するための技術ですね(いまでは、あらゆる分野で使用されています)。この私の経験を踏まえて配属先と仕事内容を協議した結果、私はハザードマップ作成を中心としたセントルシアの防災能力向上を目的として活動することになりました。

次回以降、セントルシアと私の活動内容を紹介していきます。

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