JICA海外協力隊の世界日記

カリブ海の小国・セントルシアでの防災活動日記

セントルシアの国土

セントルシアは、北緯14度前後(東南アジアでいうと、マニラやバンコク)にある小さな火山島です。気候的には熱帯です。沿岸部の降水量は日本平均よりやや少ないですが、山間部の雨量は日本平均の倍にもなります。

地質的には、新第三紀~第四紀の火山岩です(だいたい1000万年より新しいと思ってもらえば・・・)。これは、日本でいうと、日本海沿岸部などの火山岩地域と同じ時代のものになります。実際に見てみると、日本にあるものと同じだなぁとつくづく思います。

地形的には、大変山がちです(隣の国のバルバドスと全然違う!)。国のシンボルであり、世界遺産でもある「ピトン山」(グロ・ピトン798m、プチ・ピトン743m)を代表として尖った山が多いです。「ピトン」はフランス語由来で英語でも「尖った」という意味ですので、セントルシアのあちこちにピトンと名の付いた山があります。実際に、町と海沿いの道路を除くと山道(舗装はされています)ばかりになります。道路は坂道だらけで、車がひっくり返るのではないか?というような道もあります。当然、道路も狭くなりますので、交通事故と隣り合わせの生活になります。一方で、海も極端な地形を示すことがあり、大型クルーザー(超でかい!)が入るカストリーズ・ハーバーや観光地のマリゴット・ベイのような深い入り江ができていたりします。

このように急峻な地形に人口18万人が住んでいます。人口は少ないですが国土も小さいので、人口密度は日本とほぼ同じです。どこに住むといっても、住める場所が限られるので、どうしても災害リスクがあるところになっています。

山がちな地形で雨が多いということは洪水や土砂崩れなどの自然現象が発生しやすい、さらに人口過密ということはそれらに巻き込まれやすくなる、つまり、災害に遭いやすいということになります。実際、私の活動期間中にも何度か洪水災害が発生していたのですが、2022年11月6日の大雨は深刻で、マルチ・ハザード(複合災害)ともいうべき災害が発生しました。このときの降水量は3時間で157mmというものでしたが、自宅から3つ隣の集落があっという間に水没してしまう事態になってしまいました。この件を分析して、隣の島国バルバドス(東カリブの中心)での国際会議で発表したので、いずれここに書きたいと思います。

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