JICA海外協力隊の世界日記

カリブ海の小国・セントルシアでの防災活動日記

車と交通事情

セントルシアの車と道路交通は日本と同じ「右ハンドルの左側通行」です。そういった事情からか、車のほとんど、おそらく9割以上は日本の中古車です。結構、良い車を持っていますね。日本のカーナビが付いたままの車が多いので、乗せてもらうと「今日は○月○日○曜日です」などの日本語を聞くことになります。「なんて言ってるんだ?」とか「英語にできないのか?」など、よく聞かれます。動画はハイウェイを通って首都カストリーズの中心まで車で行く様子です。車中の会話やラジオ、映ったものに関するセントルシア情報をテロップでつけておきました。

セントルシアの道路は幅が狭く急で、歩道は人の集まる区域を除いてほとんどありません。路面は舗装されていますが、ポットホールなどの凸凹や路肩の沈下はどこにでもあります。曲線部は片勾配がついてないどころか、むしろ逆になっているので外側に放り出されるようになっています。

車は日本車が多いですが、交通システムはイギリス型なので日本とは結構異なります。日本と同じだと思っていると危ないです。まず、幹線道路はラウンダバート(環状交差点)になっているので、信号もほとんどありません(国全体で5-6箇所)。交差点も曲線であることが多く、日本と同じような優先道路の考え方が通用しません。これが曲者で、日本なら直進の方が優先になりますが、こちらでは曲線側の方が優先というか、強気です。ハイウェイでは、ラウンダバートがあるために歩道側左車線の方がスピードを出します。ガードレールがないので、歩くときは本当に怖いですね。横断歩道は交差点にあり、歩行者が立っていれば大抵は停まってくれます(あくまでも大抵は)。都市部は碁盤目で、一方通行が多いです。一時停止などの看板でどちらが優先か分かりますが、信号はほとんどなく、自由に人が歩いているので、運転する方が気を使うのではないかと思います。

交通事故は日常的にあります。10万人あたりの交通事故死亡者数は、日本の約10倍35人です。道路構造そのものの問題、看板や信号などの交通安全施設の不足、曖昧な交通ルール、方向指示などのマナーのほか、飲酒運転、スピード超過や無理な追い越しなどが原因となっています(個人的には、こちらの運転マナーは良いとは言いませんが、これでも途上国の中では良い方だと思います)。迂回路が非常に遠いことと、こちらでは警察が来るまで事故車を動かさないので、もう大渋滞です。渋滞があったら、まず事故か故障車でしょう。この大渋滞による経済損失が大きく無視できないので、警察や保険のシステムを転換しないといけないと政府の方が頭を抱えていました。車の数の増加自体も問題になっているそうです。

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