2021/01/20 Wed
人
【最終回】つながりの尊さ
こんにちは。
この最終回では、バヌアツや日本での「つながり」について紹介します。
1枚目の写真
→配属先の職員とのつながり。
ユーモアと優しさで全てを乗り越えていく仲間たちに出会えました。
彼らの意欲的に学ぼうとする姿や何より子どもやクライアントへの向き合う姿から多くのことを学ぶことができました。
また、私は日本で障害当事者の方と一緒に働く機会がありませんでした。しかしバヌアツでは、障害のある職員と一緒にアウトリーチへ行ったり、クラス運営について彼らからアドバイスをもらったりすることがたくさんありました。「これで良いのか?」と迷った時に、彼らの存在はとても心強かったです。
職場の仲間の姿から、私は今後も障害や病気のある子どもを支援する仕事に携わり続けようと決めました。
世界日記では、クラスでの活動についてあまり書けなかったのですが、
SHIZUOKA×WORLD REPORT 2020 JICA海外協力隊帰国報告会
の中で少し紹介していますのでご覧ください。
(上記をクリックするとYouTube動画へ移動します)
2枚目の写真
→大家さん家族とのつながり。
いつも温かく「ユリサ~ン」と話しかけてくれました!
困ったときはもちろん、普段からの何気ない心遣いに何度も助けられました。
私が帰国した後も部屋に残してきた荷物を大切に保管し、戻ってくるのを待ち続けてくれました。
その気持ちがとても嬉しかったです。
3枚目の写真
→バヌアツの同期隊員とのつながり。
1人1人のパワフルな行動力にはいつも驚かされ、元気をもらっています!
またみんなでバヌアツに行けることを願っています。
新たなつながりをつくる
昨年3月に日本へ帰国してから、世界の状況をニュースで見る度に「本当にバヌアツへ戻れるのか?」と徐々に不安になっていったのを覚えています。
そんな不安を同じように抱えた隊員との出会いから、6月頃から他国派遣だった障害児・者支援や幼児教育の隊員とオンライン会議システムを通して情報交換することが増えました。
最初は「え、オンライン...?」と使い方さえも分かりませんでしたが、今では、仲間とともに、現在も月2回ほど青年海外協力隊事務局や幼児教育顧問の先生、障害児・者支援の専門員の方々にも協力して頂きながら、セミナーを開催するまでになりました。
また8月にJICAバヌアツ支所の方々のご協力により、配属先の同僚に向けてオンライン最終報告会をすることができました。
そして9月には同僚から「子どもや保護者のみんなに会えるよ!」とテレビ電話をクラスに繋いでもらいました。
画面越しに色んな人の話を聞いたり、再会するチャンスをもらったりする中で、私はとても元気をもらいました。
その中で徐々に、自分がバヌアツに対してできそうなことや相談できる人を見つけることができました。
日本とバヌアツでのつながりの模索
インターネット環境の悪いバヌアツと日本からつながるのは、正直難しいし、失敗するのが怖いと感じる時もあります。
それはバヌアツで活動している時も同じでした。
「私には無理」「怖い」と思うこともたくさんあり、その日に頭に浮かんだ上手く言葉にできない感情や疑問などについて、帰宅してからスマホのメモに毎日とりとめなく書き続けていました。
最近、その当時のメモを読み返していたら、
何かのネット記事から拾って残しておいた『勇気は定義できない。なぜなら、結局行動でしか見せることができないから』という言葉に、改めてハッとさせられました。
その言葉に背中を押され、
現在、バヌアツ教員に向けたオンラインワークショップとSNSを利用した遊びのアイデア集を作成しています。
上手くいくかは分かりません。
でもやってみること自体に価値があると信じています。
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終わりに
2020年8月2日をもって、私の青年海外協力隊としての任期は終了しました。
私がバヌアツにいた期間は347日と、1年にも満たなかったのですが、あまり後悔はありません。
今振り返ると、この世界日記の名前「ゆっくりのんびり、一歩ずつ」とはほど遠い生活を送り、むしろ「焦って転んで、後戻り」という名前が似合う日々だったかなと思います。
それでも「失敗したけど、また頑張ろうかな」と思え、とことんやりたいことに挑戦し続けられたのは、これまで支えてくださった方々のおかげです。
人に直接会うことが難しくなった今だからこそ、その尊さを感じます。
この場をお借りして、世界日記をお読み頂いた方も含め、応援してくださった全ての方々に感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
協力隊に参加して、新たに「誰もが生まれてきてよかったと思える世界をつくる」という夢ができました。
それでは、またどこかで。
齊藤ゆり
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