2023/05/04 Thu
観光
セルビアの世界遺産 ①
Zdravo!
今回はセルビアのユネスコ世界遺産についてご紹介したいと思います。
結構前になるのでお恥ずかしながらですが、日本の世界遺産検定のマイスター資格を取得しており、世界遺産については少し知識があるので、今回は補足しながらご紹介させていただきます!
セルビアのユネスコ世界遺産として現在登録されているのは以下の5つで、全て文化遺産になります。残念ながら自然遺産は暫定リストにNational Parkなど入っているものの現在登録されているものはありません。
- スタリ・ラスの遺跡とソポチャニの修道院(文化遺産(i)(iii))1979
- ストゥデニツァ修道院(文化遺産(i)(ii)(iv)(vi))1986
- コソヴォの中世建造物群(文化遺産(危機遺産))(ii)(iii)(iv) 2004 2006
- ガムジグラード・ロムリアーナ、ガレリウスの宮殿(文化遺産)(iii)(iv) 2007
- 中世墓碑ステチュツィの墓所群(文化遺産)(iii)(vi) 2016
*ローマ数字は世界遺産の登録基準のどの項目を満たしているか、というのを顕しているものです。文化遺産は(i)〜(vi)、自然遺産が(vii)〜(x)で、全部で10の基準があります。世界遺産には「文化遺産」、「自然遺産」、そして双方を持つ「複合遺産」の3種類があります。ともにそれぞれの専門機関による調査が行われ、年に1度の世界遺産委員会の総会で審議・決議が行われ、登録可否が決定します。(ちなみに今年は9月にサウジアラビアのリアドで第45回目が開催予定)
*なお、3つ目の『コソヴォの中世建造物群』に関しては、私は残念ながら現在足を運ぶことができません。政治的な背景もあり、上記を見てわかる通り危機遺産にも登録されています。
今回は、昨年のイースター休暇時に以下の2つの世界遺産に行ってきましたので、その時の写真とともにまずは2つをご紹介します!
- スタリ・ラスの遺跡とソポチャニの修道院(文化遺産(i)(iii))1979
スタリ・ラスはセルビア南西部のイスラム教徒が多く暮らす、ノヴィ・パザールから15km西側に位置する遺跡で、9世紀ごろから13世紀の間、ラスカ川周辺地域に栄えたラシュカの主都の一つだった都市遺跡。
昨年訪問した際は知人とともに車で行きましたが、スタリ・ラスは看板などの案内もなく、かなり危険な険しい一本道。四駆などの車でないと道も整備されていないので危険です。頂上は確かに絶景ではありますが、遺跡としては城壁も壊れ、ある意味そのまま放置状態になっています。ツアーなどもないため、ここへはなかなか観光で訪問するのは難しい状況であります。
ソボチャニ修道院は1260年頃にセルビア王国の中心地・ラス地方にステファン・ウロシュ1世の寄進で建設された。教会の内部を飾る壁画が有名で13世紀後半~14世紀後半にかけて製作されたビザンチンのフレスコ画が残る。16世紀にオスマン帝国の脅威により修道院を離れ、火を放たれ屋根の一部等が破壊されたが20世紀に修復。
こちらはまだアクセスも悪くなかったですが、やはり車でないといけない場所。ノビパザールからはツアーもでているようです。外観は修復されているため綺麗ですが、入り口や内部のフレスコ画はかなり廃れています。見え辛いですが時の流れを感じ、味わいがあります。
- ストゥデニツァ修道院(文化遺産(i)(ii)(iv)(vi))1986(Studenica Monastery)
セルビア中部にある都市・クラリエボから南西約39kmに行ったところにあるセルビアを代表する正教会。1190年に中世セルビア王国の建国者、ステファン・ネマニャにより建設。白い大理石でできたドーム付きの建物はバジリカ式の聖堂で、周辺を壁が囲んでいる。ラシュカ派と呼ばれるビザンチン様式(内部構造)とロマネスク様式(外観)とが混合した建築様式、フレスコ画で知られている。特に13世紀初頭に描かれた「キリストの磔刑」が有名。
一番アクセスとしてはしやすい世界遺産です。ベオグラードやクラリエボ、ノビパザールからのツアーが出ているようです。ユネスコ世界遺産というのもわかりやすく、MAPなども設置され観光整備されています。教会自体は日本人にはあまり馴染みのないセルビア正教会で、建築様式にも特徴がある通り、非常に見応えあるディテールで、個人的には入り口部分の模様が素敵で印象に残りました。また目の前に宿泊施設もあります。
ちなみにクラリエボを経由する場合は、Zica Monesteryもおすすめです。ジチャ修道院は13世紀初頭に初代セルビア国王であるステファン・ネマニッチ戴冠王により創設。クラリエボからもタクシーで行ける距離であり、ツアーでも立ち寄るものもあるかと思うので、この辺りに行った際はぜひ!
長くなりましたが第1弾は以上です。
残りの2つの世界遺産は帰任までの任期中に行けることを願っていますが、セルビアはなかなか交通の便がよくなく、ツアー等に参加しないと見れない場所も多いのです。また、首都からは出ておりますが、任地Zlatiborからは東側へのアクセスは悪く…。最後の『中世墓碑ステチュツィの墓所群』は任地に非常に近い場所にはあるものの、同僚等に頼んで車で行かないと見れない場所でもあります。
またタイミングを見て第2弾のご紹介をしたいと思います!(以下の写真はZicaの前の景色!)
Cao!
SHARE