JICA海外協力隊の世界日記

マンゴーの樹の下で

語り継ぐこと

「アメリカに対しての怒り?そんなものはない。

ただ平和の大切さを訴えたいだけ」

そう語るのは、

ブラジル被爆者平和協会の森田隆会長と渡辺淳子さん(広島県出身)。

ブラジル各地の学校へ赴き、

学生たちに講演をすると必ずと言っていいほど聞かれる質問が、

「アメリカに対して怒りを感じているか」ということだそうです。

森田会長は21歳のときに被爆、

憲兵兵長として東京から故郷に赴任して

1 週間後のことだったそうです。

悲惨な状況を前にして、首に負った重傷を顧みず、

多くの人の救援に回ったとおっしゃいます。

渡辺さんは2歳のときに被爆した記憶がなく、

38歳のときにその事実を知らされたとのこと。

成人してから、記録フィルムと被爆者のアンケートを通して、

原爆投下がどんなものだったのか

被爆者の一人として感じたそうです。

被爆体験を語ることは、

戦争の愚かさと平和の尊さを伝えることにもつながる、

そして、約270人の協会会員の平均年齢が80歳を超える今、

起こったことが風化されないために、

協会の活動はこれからますます重要になってくるとおっしゃいます。

今回、JICAの会議でサンパウロに集まった

同期ボランティアと一緒にお話を伺いました。

私たち若い世代は体験を聞くことしかできませんが、

それを知り伝えていくことはできます。

人類共通の権利「核のない平和な世界」について

深く考える時間をくださったお二人に感謝します。

ありがとうございました。

<参考図書>

ブラジル被爆者平和協会

『南米在住ヒバクシャ魂の叫び』2014年10月10日(コジロー出版)

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