JICA海外協力隊の世界日記

SAKAMOTO, search fire!

何気ない日々へ

マラウイでの暮らしを終えて…

帰国して4か月。

博士課程に進学し、忙しい日々を送っています。

帰ってきてから現在まで、引っ越し、入学手続き、その他諸々の帰国後に必要な手続きなど、入学してからは奨学金の申請が複数あり、てんてこまいでした。

しかしそれらを通して、自分で考えて自分で解決する、1人では解決できない課題は周りに頼る、ということがいつの間にかできるようになっていたことに気付きました。

そしてマラウイと比べて格段に便利な生活の中で、時々ふと考えることがあります。

私たちにとって「幸せ」とは何だろう

最後に、それに迫ってみたいと思います。

 

残された時間をどう過ごすか

私は現在29歳です。

80歳まで生きられるとして、残り約50年。

時間の経過がどんどん早くなるよと先輩方から言われ続けてきました。確かに。

では、どうやって長生きできるのでしょうか?

健康に気を使い、事故にあわない・事件に巻き込まれないようにする、などが思いつきます。

ここでマラウイでの生活を振り返ってみると、時間が本当にゆっくりと進んでいました。

時間が遅く感じるようにすればいいのでは?(天才かもしれませんねえ)

時間の体感速度が遅くなる状況として考えられるのは、

新しいことに挑戦し、少し苦しんでいるとき

本当に何もしていないとき(笑)

ではないでしょうか。忙しい日々には時には後者も必須ですが、ずっと何もしないわけにはいきません。

ちょっと苦しんでるときって時間が長くないですか?

これを利用して、小さな挑戦を積み重ねることで、体感時間を長くし、同じ50年でもそれはそれは長く感じるようにしてあげれば、より濃い50年になるのではないでしょうか

笑顔の伝播

私は作り笑いも、悲しい笑顔も、喜ぶ顔もすべて含めて人の笑顔が大好きです。

笑顔も、笑顔になるきっかけも十人十色です。

マラウィアンは仕事中でも、ご飯を一緒に食べていても、会議していても(書いてたらマラウイが恋しくなってきました)、いつでも笑顔!最高です。

なんでこんなに笑うんやろう?

正直なところ、オモロい人はもちろんいますが、みんな一様に笑いのセンスがあるわけではありません(ちなみに私には濃度の低い大阪の血が流れておりますわよ)。

なのにマラウィアンと話していると、なんだか私まで楽しくなってきます。

ひょっとして、マラウィアンは常になにごとも楽しんでいるのでは?と考えると、腑に落ちました。そういうことか。

おのずから楽しみ笑顔になり、誰かとかかわることでその人も笑顔になっていく…そりゃ友達多くなるわなあ。

このような人と人とをつなぐ笑顔というバトン、見習って日本での生活でも、誰かに渡していくことを意識しています。

本気で生きる

いわゆる先進国と呼ばれる国々に暮らす現代人は、何でもすぐに手に入り、すぐにどこでも行けるような環境に暮らしています。

つまり、経験的に「便利な暮らし=幸せ」だと、いつの間にか信じているのです。

マラウイでも、必要最低限のものは手に入ります。

しかし、夜は買い物に行けない・便利なものは手に入らないのであるもので工夫するしかない・急な停電や断水の準備をしておくなど、生きるハードルが高いうえ、自分の時間がそちらに吸い込まれていましたが、日々本気で生きていたように感じます。

これは伝えるのが難しく、実際に体験してもらうほかないかもしれません。

電気が戻った時は感謝の気持ちが自然と生まれ、停電で中止していた自前の料理がうまくいくと普段より嬉しかったです。

つらい面もありましたが、なぜか総じて充実はしていました

普通に最低限の食事を摂って、同僚と冗談を交わしながら過ごす―なんかそれだけでええなあ。

日本帰任直後、Microsoft社が電脳チップを人間の脳に埋め込むことに成功した、と発表していました。

それで誰が幸せになるんでしょう???

 

幸せを求めて

ますます複雑化する情報社会、変動する国際情勢。

これからの時代をどう生きるか、なんて誰にもわかりません。

少なくとも、個々人が見かけ上ではない、それぞれの心からの幸せを追い求められるようになれば、全体的に良い方向に向かってゆくのではないでしょうか。

政治の裏金問題や悲惨な事件など、見るに堪えないようなニュースが耳目に触れます。

せめて、自省を込めて、子どもの頃の自分が見ても恥ずかしくないような大人にならないといけないなと思います。

現実を直視し、周りに流されるのではなく周りに頼りつつ、自分で考え自分で行動すると、おのずと自分の幸せの方向に向かってゆく。

これまでのたくさんの出会いが、自分自身を形作り、今があるということに感謝し、幸せを追い求めていきたいと思います。

隊員の皆さんは自分のペースで、しかし悔いのないように残りの期間を過ごされてください!

読者の皆さん、JICA関係者の皆さん、最後まで本当にありがとうございました。

ちょっぴりさみしいですが、最後にいつもの挨拶を。

それでは皆さんお元気で!Tionana!!!

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