JICA海外協力隊の世界日記

さのしほのラオス保健だより

#2 世界初の教科「エコヘルス教育」

「エコヘルス教育」。聞き覚えのある方は少ないのではないでしょうか。

今回は私の活動内容である「エコヘルス教育」についてご紹介します。

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これはEcosystemとHealthに関する学問領域で、日本でいう健康教育や環境教育に近いものがあります。

具体的には、「社会開発」「人間の生活活動」「自然の生態系」「人間の健康」が相互依存の関係にあるという考え方の元、持続可能な人間の健康のための社会のあり方を考える、それがエコヘルス教育です。

実際に授業の中で取り上げている例をご紹介すると...

バナナラッシュ.jpg

1.中国と国境を接するラオス北部に、中国資本による中国輸出用のバナナ栽培を行うプランテーションが拡大。(社会開発)

2.農園は、住民に雇用をもたらし、賃金は上昇。(人間の生活行動)

3.しかし、大量の殺虫剤、農薬、化学肥料による化学物質汚染が深刻化。(生態系)

4.水源や汚染されたり、農薬の大量使用で労働者が健康を害するなどの問題が浮上。(人間の健康)

ちなみに、ラオス政府は2016年12月にバナナ農場の新設を禁止しています。

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実際の社会では、さらに多くの要素が複雑に関係し合っているとも考えられますが、エコヘルス教育では主に、この4つの社会的要素を軸に、私たちの身の回りにある社会問題・健康問題について扱っています。

エコヘルス.jpg

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このように、健康教育と環境教育を融合したような「エコヘルス教育」ですが、これを教科として導入しているのは、ラオスが世界で初めての試みなんです。

現在は、ラオス国立大学教育学部が主導して、全国8校のTTCで導入が進んでいます。

エコヘルス隊員としてラオスに派遣されているのは、私の他にあと2人。

JICA事務所の方々や日本の大学の先生とチームになって活動しています。

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実際の授業や活動の様子は今後の投稿でご紹介するので、見ていただけると嬉しいです!

では、ぽっかんまい!(See you!)

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