2017/01/27 Fri
活動
ダンスホール・レゲエで地震啓発。


地震啓発活動の一環として、セント・アンズ・ベイでワークショップが開かれました。
小学校から高校まで、100名以上の高校生がセント・アン教区から集まってきて、地震が起きた時の対応について楽しく学びました。
ジャマイカ国家防災庁(Office of Disaster Preparedness and Emergency Management: ODPEM)が主催するワークショップは、例年ではジャマイカの首都であるキングストンで開催されています。
今年はセント・アン教区の行政機関があるセント・アンズ・ベイで行われました。
図書館の敷地に大きなテントを張るところまでは日本の一般的な屋外ワークショップと同じなのですが、やはりここはジャマイカ。
音響設備として何故か大きなスピーカーとDJブースが設けられます。
DJもマイクチェックに余念がありません。
ジャマイカの歴史にとって重要な偉人の銅像の横にも容赦なくスピーカーが積み上げられます。


ほどなく生徒さんが到着し始めると、大音量で流れ始めるダンスホール・レゲエ。
よくよく聞くと、歌詞に津波が取り上げられているのに気づきます。
サビでは「Drop! Cover! Hold On!」と、姿勢を低くして机の下に潜り、頭を守るためのスローガンが繰り返されているのに唸らせられました。
ただスローガンを繰り返すよりも効果的で耳に残りやすい。
ジャマイカらしい工夫が随所に見られます。
全体としては、地震のメカニズムや発災時に身を守る行動など、地震啓発の王道の内容を踏まえつつ、最後はアースクエイク・ダンス大会で締めるなど、学生さんに飽きずに楽しく学んでもらえる構成となっていました。
ワークショップの後、それぞれ帰路につく学生さんたちの顔の大半が充実した笑顔だったのが印象的でした。


ジャマイカでは17世紀以降、2回大きな地震が記録されています 。
特に、1692年に起きた地震では、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の舞台にもなった当時の首都ポート・ロイヤルの3分の2が沈むという被害に見舞われています。
地理的にも、北アメリカプレートと南アメリカプレートの間に挟まれたカリブプレートの端っこに位置しているので、ジャマイカにいつ大きな地震が来てもおかしくありません。
地震が来ないことを心から祈りつつも、命を守るために地道なことを一つひとつこなしていくジャマイカの人たちの姿勢に、たくさん気づかされた一日でした。
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