JICA海外協力隊の世界日記

La vida en Honduras

12月1日は世界エイズデー

 12月1日はWHO(世界保健機関)がHIVエイズの予防啓発とエイズに対する差別や偏見を解消するために制定した世界エイズデーです。ホンジュラスでのHIV感染者数は人口約911万人に対して2017年の時点で35,685人と目立った数ではないものの、都市部地域の貧困層を中心での蔓延が問題となっています。

 この世界エイズデーに合わせて、所属先であるグラシアス市保健所でも保健推進員を対象にHIVエイズに関する研修会を実施しました。

 研修会ではまず、HIVエイズの疫学研究をされている医師を招いてHIVエイズの歴史的経緯や、HIVウイルスが人体にどのような過程で影響を及ぼすかなど医学的な面からの講義をしていただきました。その後、HIVに感染することによりその人にどのような影響が起きるのか、妊産婦、カップル、思春期女子など対象に分けてそれぞれ原因・結果・予防策について分析する時間を設けました。

 このグループワークは日ごろ、予防啓発活動を行う保健推進員達にただ一方的に予防知識や病状を説明するのではなくその病気によってその人の人生にどのような影響ができるのか、身体的側面だけでなく社会、経済、文化など異なる面から考えてもらうことを目的に行いました。

 グループワークでは、10代の思春期に対する不十分な性教育や母子感染による家庭全体への経済的負荷、HIV感染による差別や偏見など様々な意見を共有することができました。こうした要因を踏まえて、予防啓発活動で気を付けるべきことや注視すべき点など保健推進員達に再認識してもらう機会となりました。最後に、HIVエイズの予防啓発を行う上でのポイントと色水を使った感染体験ゲームを紹介しました。このゲームは参加者全員が水の入ったコップを持ち、その中の一人だけが色水の入ったコップを持った状態ではじめます。最初にパートナーをみつけてコップの中の水を混合し、同じ作業を複数回別のパートナーと行い最終的に、1人しか持ってなかった色水がどれだけのカップに広まったかを観察します。これは、不特定多数との性交渉によりHIVに感染する可能性がどれほどあるかを分かりやすく説明するための体験ゲームです。保健推進員からも、自分たちの啓発活動でもやってみたいとの声があったので反応をみるのが楽しみです。

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