JICA海外協力隊の世界日記

添野良一のウルグアイ滞在日記

モンテビデオの街を歩きながら

 「人間は、社会的動物である。従って、人間の生き方、考え方は、生まれた土地の文明によって影響を受ける。」と言われますが、私はラテンアメリカの地で初めて暮らし、実感しています。

 中近東や中央アジアや東南アジアで暮らしていたときは、それほどの感覚は少なかったのですが、ウルグアイでは、何か違いを多く感じています。

 ラテンアメリカの地はその殆どが他国からの移民で成り立っているからなのか、鉱物資源や肥沃な土地に恵まれているためなのか、まだ私には、分かりません。が、ラテンアメリカの国の成り立ちからして、土着、西洋、アフリカ等の文化、歴史観、文明がブレンドされているような雰囲気を感じます。

 街角で知り合いに出会うと、右頬を寄せ合い、お互いの体温を分かち合うようなハグ、挨拶を交わします。どこででも知人に会うと、老若男女関係なく、ハグの挨拶をしています。これは欧米の感じなのでしょうか、出会った時、また辞する時も一人一人にハグをしています。

 マテ茶(ウルグアイのお茶)を飲む時は、カップルや家族や友人同士は、飲み口を回し飲みしています。マテ茶を回し飲みしながら、川辺や公園で何時間もおしゃべりを楽しみます。これは隣国のパラグアイやアルゼンチンでも同様な光景があるそうです。

 ウルグアイの首都モンテビデオの街並みは小さな欧州を思わせます。また、家の外回りより、家の中の方がとても綺麗です。玄関周りより、居間の方が掃除も行き届き、中庭も整備されているように見えます。すこし田舎に入ると、のどかなパンパが広がり、牛、羊、馬などが牧草を食んでいます。カウボーイの姿を見かけたこともあります。

 私は見かけを重視する日本にどっぷりだったのか、服装も小綺麗な恰好のものを、車も傷ひとつ付けないように気を使います。また建物の壁に落書きがあればすぐにでも除きます。外見重視だったなぁ~と、ここウルグアイに来て感じています。

 思い思いの服を着、髪の色も好きな色、形。車も少しの傷はおかまいなしの様子。壁のペンキ落書きも気にしない様子、玄関周りも日本ほど掃除をするという感じはありません。しかしレディファーストでもありますし、子育ても家事も料理も買い物も男女ともに協力し合っています。休日は家族で過ごすことを最も大切にしています。

 ジャカランダの花に初夏を感じ、暑い盛りの汗かきながらのクリスマス、サングラスをかけ、西瓜を食べながらのお正月、夜中じゅう、陽気な音楽と踊りで賑やかなカーニバルシーズン、ロデオで盛り上がる復活祭、落葉舞い散る5月、氷雨が続く6月・・・、

 日本とは時差も緯度も気候も眞反対の国、ウルグアイ。南米だから暑いのかなと思いきや、ウルグアイには雪こそありませんが、四季があります。

 いろんな意味で、地球は広いなぁ~と思いますし、日本から随分と遠い地に来てしまったなぁ~と10ヶ月を過ぎ、実感しています。世界中に散らばってるJICAのボランティアの皆様もカルチャーショックの日々をお過ごしのことでしょう。

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