JICA海外協力隊の世界日記

添野良一のウルグアイ滞在日記

ウルグアイの木たち

今回は、ウルグアイの木たちを紹介します。

 ウルグアイは、全土が岩盤の上に広がる草原(パンパ)の国だそうです。パンパは、アルゼンチンからブラジルの南部まで広がっているそうです。今でも地方に出るとパンパが広がります。パンパの中に所々にある木々の多くは、イギリス等からの植林が始まりだそうです。そのせいか木々の種類は、見た所限られた数のように思います。

 上の写真は、面白い木です。ここでは、酔っぱらいの木(Palo borracho)と呼ばれています。この木の名前は、幹の部分が酔っぱらいの人の腹のように肥っているので、この名前がついたそうです。木の表面に棘が隙間なくあり、木にもたれると棘が当たり痛いです。私は、酔っぱらいの人が酔って木にもたれかかると痛いから、酔っぱらいの木と言うのではないかと、推測してしまいます。日本名は、トックリキワタです。

 現在(2月)は、写真のようにピンクの花が満開です。花が終わると、種子は、綿のような産毛に包まれたリンゴ大の大きさの実のようになり、冬を越します。春(こちらでは、9月から11月)実が割れて、春風に綿毛を飛ばすようになります。ちょうど、タンポポの種子と同じようです。ただ、タンポポよりずっと大きくて、指1本ぐらいの綿毛の塊が飛ぶ感じになります。寒い冬は、しっかりと綿毛の実の中にあり、温かい風のある日になるべく親木のある所から遠くに飛んで行きます。これを見ていると、赤ちゃんを守るお母さんのようです。

 私は、現役で仕事をしていた時は、木に興味を持って見たことはありませんでした。 昔の言葉で、「歳をとると、盆栽のような植物に興味を覚え、やがて、動かない石に興味を覚えるようになる。そして死んで行く。」というのがありました。私は、今、植物に興味を覚える年代になったのかなと思います。

 そして、この酔っぱらいの木の種子の飛ぶ様を見ると、今更ながら母の愛を感じます。

 この写真の木の名前は、私にはわかりません。公園で時々見かけます。この木には、西洋の悪魔や日本の妖怪が住むにふさわしい感じがします。

 叢生の木で日本のマテバ椎に似ているように思います。しかし、根の部分まで塊になっています。関東平野育ちの私には、このような根の張り方をする木に出会ったことがありません。薄い地盤の上に堂々たる根を張り生き続けている木に驚きました。

 これは、アカシアに似た木です。モンテビデオの至る所にあります。12月頃から1月にかけて黄色の花が満開になります。ここの気候が一年中比較的に温暖のため、花々が徐々に咲くように思います。

 この国では、地方の至る所で、ユーカリの林が見られます。これは、技術協力プロジェクト等で、このラプラタ川流域に、植林を勧めたJICAの先達がいたからだそうです。JICA先輩達は、試行錯誤の末に最もこの地に適した成長の早いユーカリを植林するように政府に勧めたそうです。この林業のおかげで紙パルプの材料を輸出できる国になったそうです。また、今でも植林事業は、国策として続けられています。

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