菅原洋子のミャンマー滞在日記(菅原隊員は帰国しました。)

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菅原 洋子
神奈川県

タイプ/職種
シニア海外ボランティア
作業療法士
派遣国
アジア
ミャンマー ヤンゴン市
一言メッセージ
ミャンマーへリハビリ支援のために来ました。政権交代で障がい者の人権も大切にする社会を期待しています。

 

世界寄付指数でミャンマーが一位

2017.03.31

文化 生活

2016年度世界寄付指数でミャンマーが単独第一位に輝きました。2015年度はアメリカとミャンマーが同数で第一位でした。世界寄付指数とは、「他の人のために与える行動を最も多く行った国」の順位を決める調査です。英国の慈善団体(CAF)とアメリカの世論調査企業ギャラップが2010年から始め、世界140か国を対象に各国からランダムに1000人を選択し、過去1か月の間に以下のような行為を行ったかどうかを調査するものです。

・異邦人、助けを必要としている見知らぬ人を助けたか?

・宗教団体や政治団体、慈善団体等に寄付を行ったか?

・組織的なボランティアに時間を奉げたか?

各項目を合計100に指数化して、国の順位を決めます。

ヤンゴンの日本人向けのフリーペーパー「ヤンゴンプレス」の一面に載っている社説では、世界寄付指数一位のミャンマーは「世界一やさしい民族」と解説しています。特に寄付を行った指数は91%と驚異的な高さです。その理由の一つは上座部仏教の影響が大きく、お布施が一番の功徳をつむ方法であるとの教えによるものです。

ミャンマー人の寄付指数が高いことは、日ごろの生活からもうかがえます。私のミャンマーの知人は毎週土曜日には朝4時に起床してごはんとおかずを料理し、お坊さんに寄進することを習慣にしています。托鉢を持ったお坊さんが訪れれば、どこのお店でも寄進します。彼女は週一回なので10人分ほどを寄進すると言っていました。またバスの中などで寄付を集めに来た少年僧に、何人かの人が寄付をしていました。寺院には寄付の箱に多くのお金が入っています。貧しい人々もできる範囲でいつも寄付を心がけているそうです。

ちなみに日本は114位でした。この数字はなかなか心穏やかならざる数値で、寄付をどのように考えてきたのかを振り返ってみました。日本人は宗教的に寄付をするという人は少ないし、街頭で寄付を募る行為は多いのですが、私はいろいろ考えを巡らしているうちにそのまま通り過ぎてしまうことが度々ありました。何に対して寄付をしたらいいのか心が定まらないのです。そこでユニセフへの寄付を自動引き落としで行うことにしました。一方欧米ではお金持ちは寄付をすることで敬意を持たれ、寄付をしなければ非難されるということです。しかし日本では素性を明かさずに寄付をするという人々もおり、密かに慈善を行う文化もあるそうです。このようにみてくると一言で「寄付をすることは優しい国民性」と言い切ることは難しく、寄付の意味がそれぞれの文化の中で違い、寄付行為に影響しているようです。

ミャンマーでは宗教施設に集まる寄付により、多くの福祉事業を可能にしていることも確かです。先日ヤンゴンの高齢者対策について一部調査したところ、老人世帯で経済的に苦しい人々や病気や障害を持っている一人暮らしの老人の生活を援助するのは各宗教施設でした。加えて孤児院、貧しい人々への宿舎の提供、学校にいけない子供の教育、無料の日本語教室など僧院の働きは多方面にわたっています。地方からうちの病院の外来に通ってきていた親子は、近くの僧院に泊まっていると話していました。ミャンマーでは、困ったときには、僧院を頼りにしているのだと思いました。