JICA海外協力隊の世界日記

5Sでゴー 薬剤師マラウイ奮闘日記

誰も職場に入れない!?

マラウイはセキュリティーのため鍵の数が多い。隊員のいる国はどこもそうだと思うが。私の家はそれほど広くなく外に通じるドアは2箇所(玄関とバルコニー)だが、ドアとバーグラーバー(鉄格子のドア)と合わせて6個の鍵が必要だ。それに加え室内にも寝室のドアとバーグラーバーにそれぞれ鍵があるので、全部で8個の鍵をじゃらじゃらと常に持ち歩いていることになる。実際にはそれ以外に鍵の不要なスライド式タイプのものが5箇所設置されている。ごちゃごちゃと分かりにくいが、要するに私は毎日3箇所の鍵、5個の南京錠、4個のスライド錠に守られて生活している。確かに外からの侵入に対しては安心だが、万が一の際の外からの救出と、中からの脱出も困難であることは間違いなく若干不安になるのも事実である(笑)。そしてもし中にいる状態で鍵を紛失したり鍵のトラブルが発生したらどうなるか!?と考えると結構恐ろしくもある。しかももし電話が手元になかったら… かなり悲惨な状況に陥ることは間違いない。幸い私自身は今のところ問題はないが、鍵のトラブルで苦戦したマラウイの同期隊員はすでに3人いる。鍵の管理には気を使う毎日である。

職場の薬局ももちろん鍵だらけである。そしてついに職場で問題が発生した!

その日の朝、出勤すると薬局の建物の前にスタッフが大勢集まっている(写真の状況に陥っていました)。鍵を持っているスタッフが来るまでは誰も入れないので、担当者が来ておらずみんなが外で待っている状況は多いが(ちなみに病院スタッフの始業時間は7時半だが我が職場は8時になっても鍵が開いていないことのほうが多い!?)、今日は扉はすでに開いているように見える⁉ なぜ誰も中に入らない?

薬局の入り口には外側の扉・バーグラーバーと、内側の扉と中に入るため開けるべきものが3箇所ある。問題は内側の扉の鍵である。ここが、いわゆるオートロックシステムの鍵なのだ。これが今回のトラブルの原因! 鍵を持っているスタッフが出勤し、一度ドアを開けた後、鍵を部屋の中に置いたまま外に出てしまった、内側のオートロックの扉を閉めて。そして中には誰も残っていなかった… つまり鍵は誰もいない薬局の中で、外からは鍵がないと開けられないので、結果誰も薬局に入れなくなり!建物の外に大集合。不運は重なるものである… いつもは20名程度のスタッフだが、この日はファーマシーアシスタントの学校の学生が実習に20名弱来ており、さらに新しいファーマシーインターン10数名も加わりいつも以上に多くの人が集まっていた日。予備の鍵を持っている責任者に連絡を取り責任者が出勤して来るまで小一時間、総勢50名近い人々がのんびり外で待つことになりました。でも誰もイライラしない。のんびり~。この日は比較的忙しくない日だったということもあるが、いつでもパンゴーノパンゴーノ(ゆっくりのんびり)のマラウイ人達は状況を気にするでもなく会話を楽しんでいました。そして日本の病院だったら間違いなく事故報告書を作成して改善策を立てねばならないところだが、結局扉が開いた時点で何もなかったように日常に戻り、次への対策を気にしているのは私だけ⁉ だと思います(笑)。すべての窓にも鉄格子がはめられている職場と我が家。日本の家は安全というか無防備というか、いろいろ考えさせられる1日でした。余談ですが現在の私、昨日の夜からどうしても寝室の南京錠から鍵が抜けません(写真の状況です)。鍵がかけられないだけで出入りには支障ないのですが、困ってます(笑)今日中に抜けますように!

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