JICA海外協力隊の世界日記

ミクロネシア日記「ことこと」

スペシャルランチ

支援に入っている6年生のとあるクラスで。いつものように、教室に入ると、黒板に、「米、水、チキン」と書かれ、何やら子どもたちの名前がずらり。いったいこれは何なのか、たんにんのケビン先生にたずねると、「来週の水曜日、クラスのみんなでランチを持ちよって、いっしょに食べるんだ。」と返事が。それはとっても楽しそう。わたしまでわくわくしてきたので、「参加したい!」とすぐにおねがいをして、オッケーをもらいました。

ということで、今回は食文化についてしょうかいしたいと思います。ちなみに、ネッチ小学校の子どもたちは、ふだんお弁当を持ってきます。なかよしの友だちや、校内にいる親せきなどといっしょに、教室や外など、好きな場所で食べています。

そしてやってきた水曜日。クラスのみんなが、長つくえにずらりとならびます。いつもとちがうランチタイムのふんい気に、子どもたちはわくわくそわそわ。はじめに、写真の右側にいる男の子が、手を合わせて、食事前のお祈りの言葉を唱えます。それに合わせて、他の子たちも目をつむってみんなでお祈り。を日本でいう、「いただきます」のあいさつですね。

お祈りが終わると、いっせいに手がのびます。最近では、フォークやスプーンを使って食べることも多くなったようですが、もともとのこちらの文化では、手で食べるのが主流だったそうです。指先で食べ物をつかみ、手の平で少し固めて口に運びます。ちなみに、ポンペイではお米はよく食べられていて、カリフォルニアからの輸入米が主流ですが、形や食感は日本米とにています。

「ランチにも、文化のちがいが見られておもしろいなぁ。」と感心しながらぼーっとしていたら、「あゆみ、早く食べないとなくなっちゃうよ。」と先生に言われ、あちらこちらから「メット!」の声が聞こえてきました。「メット!」とは、「お腹いっぱい!」の意味です。・・・え、まだ開始10分も経っていないのに?!本当に、あっという間になくなっていました。さすが食べざかり。

ちなみに、こちらで手に入れた日本のふりかけを持っていったら、飛ぶように売れました。

さて、「メット!」と言ってつくえから去っていった子どもたちが次に向かった先は、こちら。

そう、ココナッツ!子どもたちのそれぞれの家の近くに生えているヤシの木からとってきたそうです。わたしは、このローカルココナッツが、大大大好き。ヘルシーで栄養満点なので、かぜをひいたときに飲むのもいいです。日本人がよく訪れる観光地などでは、数百円するそうですが、こちらでは、50セント(60円くらい)か、だれかからもらってただで飲めます。

写真は、ココナッツ待ちのようす。しゃがんでいる男の子が、飲み口をナイフで開けています。けっこう固いのですが、なれた手つきで、次から次へと、みんなのココナッツを手ぎわよく切り開いていきました。その数、20こ以上!えらい!「こういうココナッツの飲み方とか、親から子へと、見て覚えて身につけていくのだろうなぁ。」とまた関心しながらぼーっと見ていると、今度は「ブシューッ」とココナッツしぶきを浴びてしまいました。これはココナッツあるあるで、飲み口が空いたしゅんかん、中のココナッツの汁が飛び出してくるんです。だから、ココナッツしぶきをかぶらないように、注意が必要です。

そんなこんなで楽しいランチタイムは、あっという間に終了。授業とはまたちがった、子どもたちの表情を見ることができたのもとてもうれしかったです。今回のクラス合同ランチを企画したたんにんのケビン先生は、こんな風に、子どもたちが楽しめることや、子どもたちのためになることを考えて仕事をしている先生です。授業の中でも、「子どもの目線」に立って、子どもたちとかかわっていることが伝わってきます。どこに行っても、いくつになっても、そんな風に子どもたちとかかわれる先生にわたしもなりたいなぁと思う今日このごろです。

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