JICA海外協力隊の世界日記

ミクロネシア日記「ことこと」

やわらかな空の下で

先月、日本へ一時帰国をしました。

逆カルチャーショックを書きとめておきたいと思います。

それはグアムから成田までの飛行機の中から起こりました。

まず、機内アナウンスや周りのお客さんの会話の内容が、100パーセントわかるので、耳がすごくよくなった気がしました。(いつも耳に入ってくる英語やポンペイ語は、意識してじっくりしっかり聞かないとわたしにはよくわかりません。わかったつもりでも、ときどきかん違いもしている)

成田空港に到着すると、飛行機の外に高いビルが見えてびっくり。(ポンペイにはビルがない)

トイレに行くと、いきなりふたが開いたり、閉まったりすることにびっくり。手をかざすと出てくる洗面所のお湯にまたびっくり。

そして東京駅の中にあるお店を少し見て回りましたが、細かくて小さくてきれいな商品が、どれも美しく並べられていて、ライトに照らされてきらきらしていました。お弁当を買おうとすると、種類が多くて多くて、目移りしてくらくらしました。大好きなまっ茶ラテが、日本に着いてから初めて口に入れたものでしたが、思わず「うまい!」とつぶやいてしまいました。

そして、いろんな人から「もうしわけありません。」という言葉をたくさんもらい、何も悪いことしていないから大丈夫だよとびっくりしながら、(お待たせしてしまいもうしわけありません、カウンターからお渡ししてもうしわけありません)

3分の時刻の遅れに大変もうしわけありませんと謝られ、ポンペイでは3時間の遅れも気にしないのにと思いながら、

そうこうしているうちにふるさとの山形にもどりました。今回の旅の目的は、家族に会うため。ポンペイの人は家族との時間を何より大事にしてます。そんな文化にふれて、今まで高校を卒業して実家を出てから、友だちのことばかり優先して、あまりお家に帰っていなかったなぁと反省し、家族が恋しくなったのでした。お家にたどり着くまでに数々の逆カルチャーショックを感じたはずだったのに、「ただいまー。」と家に帰るとすうっと自然に今までのように戻りました。やっぱりふるさとの力は大きいです。特別なことはしなかったけれど、その場所にいるだけで心が落ち着くのは、やっぱりここがわたしの帰ってくる場所なんだと思いました。

そして、ポンペイに来る前に4年間働いていた小学校へも一度訪れました。

ここに来るのは一年ぶりで、子どもたちは一回りくらい大きくなっているだろうと思っていましたが、予想を上回って二回りくらい大きくなっていてびっくりしました。やっぱり教え子はかわいいです。ポンペイの文化紹介やネッチ小学校の子たちとの絵交流などの時間をつくっていただきました。忙しい中、準備をして温かく迎えて下さった先生方にも、本当に感謝です。

短い間の日本滞在でしたが、気持ちを新たにすることができました。最初は、逆カルチャーショックをたくさん受けたわたしでしたが、二、三日ですぐにおさまり、あのぎらぎら焼けるようなカンカン照りの太陽の暑さも、あいきょうのあるポンペイ人の笑い声も、はだしで汚れた足のうらも、わたしが過ごしたこの一年は、どこか遠い夢の世界の出来事だったような気さえしていたのでした。それがちょっぴりさみしく、やわらかな日が差す日本の空の下で、わたしの記憶に刻まれたポンペイのことを思い出していました。

わたしが今いる環境は、とても貴重なもので、今しか味わえないこと、今だからできることをどんどんこれからもやっていこうと思いました。残りの九か月もがんばって、そしてまたふるさとに戻ってこようと思います。

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