JICA海外協力隊の世界日記

産婆トモコが見たガーナ

ガーナの妊婦健診

ガーナの医療は日々進んできています。

しかし依然として、母体死亡も新生児死亡も多くあります。

実際に看ていた産婦さんや赤ちゃんが亡くなったこともありました。

この1年9ヶ月、母体死亡と新生児死亡をいかに減らすかについて考えて活動してきました。

医療設備や人材が十分でないということはもちろんあります。

しかしそれだけが原因ではありません。

ママたちの知識不足、医療者の技術など多くのことが理由として考えられます。

ママたちが異常に気付かなければ手遅れになる。

そして異常を予防できるように医療者が指導することも大切です。

さらに異常が起きた時に、すぐに対応できることも大切です。

この中で、今回はママの知識不足の解消と予防教育のために導入したフリップチャートについてお話しします。

導入したきっかけは、妊婦健診で個別指導は行っているけど、医療者が一方的に話しているだけで、聞いているママにはきちんと知識として定着していなかったからです。

集団指導を充実させることも必要だと思いましたが、現地語が多くあること、時間厳守が難しい、スタッフの集団指導に対するモチベーションが低いことから、集団指導より、すでに行われている個別指導を充実させることを優先させました。

分かりやすいフリップチャートがあれば個別指導も効率よく行え、ママの知識の定着にも繋がると考えました。そこでガーナの助産師・保健師と共に、フリップチャート(貧血、妊娠高血圧症候群、お産、新生児のケア)を作成しました。英語を読めない人も多くいるため、写真で伝わるように工夫しました。

お産を扱っている施設で導入し、少しずつですが定着していっている施設もあります。

集団指導も乗り気ではなかった助産師も、健診が込み合っているときはフリップチャートを使って集団指導をしたり、状況に合わせて使い分けてくれています。

ガーナ人と協同して作ったため、大切にしてくれる、内容がニーズに合っているなどの効果も感じられました。

使って指導をしている様子を見てもらったり、使いやすさを実感してもらったり、きちんと使用してくれている施設を表彰したりと、少しずつですがフリップチャートが浸透していることを感ています。

導入した物が100%使われることが目的ではなく、指導することの大切さを医療者が感じること、ママが自分の体について知る機会になればと思います。

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