JICA海外協力隊の世界日記

地球の森コスタリカ

リサイクルセンターのはなし

Hola(オラ)!

コスタリカはいよいよ雨季に入りました。

毎日午後になると雨が降ります。

傘を差してもどうしても濡れるので帰宅間際に降り出すと

どうにも憂鬱な気分になりますが、

乾季には葉を落としていた裸の木々に緑が茂り、

雨に濡れて緑のしずくを光らせている姿は

風光明媚で思わず足を止めてしまいます。

前回はコスタリカのごみ事情についてお話したので、

今日は私の任地ティバス市のごみの話をしようと思います。

ティバス市はコスタリカの首都サンホセ県内にあり、

隣のエレディア県との北の県境にある小さな市です。

ティバス市のリサイクルセンターは元々は地元のNGOが

設立、運営をしていましたが5年前の法律施行(前述「ごみのはなし」)

を受けて、

からティバス市役所の管轄に入りました。

この小さな小さな小屋が

ティバス市のリサイクルセンターです。

現在従業員は5人。

リーダー(管理職)と4人の従業員で運営しています。

市役所の管轄下ですので全員市役所職員です。

現在のごみの量に対して全然マンパワーが足りていないのですが、

何せ市役所職員。

身分の保証された正規雇用ですので予算のない地方自治体では

簡単には人を増やしたり動かしたり出来ません。

着任して8ヶ月、

ずーーーーっと人を増やしてもらうようにお願いしていますが、

やっと新人が入ってきてもすぐに他部署に取られてしまい

一向に状況がかわりません。

それだけ周りに重要さが理解されていない立場の弱い部署なのです

愚痴はこの辺にして、

リサイクルセンターのお仕事を紹介します。

朝6時、従業員たちが出勤してきます。

2人は資源ごみ回収のトラックに乗り、2人は中で仕分け作業、

リーダーは事務処理をしながら仕分け作業の手伝いです。

前回お話したとおり、リサイクルセンターの回収は完全予約制です。笑

リサイクルセンターの存在を知っている住民が

「ごみが溜まったから取りに来て」と電話をし、

その電話の主が告げた住所にトラックが取りにいくというシステムです。

しかも家に着いたら呼び鈴を鳴らし、もしくは戸をたたき、

家主さんが中から袋に入った資源ごみを手渡すというとても丁寧な

回収方法です。

きっと日本人なら誰しも

決まった曜日に家の外に出しとけばいいじゃん。

と思うはずです。

もちろん私も最初の最初にそれを提案しました。

・区ごとにルートをつくって曜日を指定する。

・住民は決まった時間までに家の外に袋を出しておく。

日本人なら誰でも思いつく方法です。

しかしティバス市のリサイクルセンターは

1台しかトラックを持っていません。

回収担当は2人だけです。

そしてリサイクルセンターの建屋はご覧の通りとても小さいのです

住民全員が資源ごみ回収に参加してしまうと

1日では周りきれません。

全部回収仕切ったとしても処理能力が追いつかず

たちまち建屋からあふれ返ります。

あふれ返ったらどうするか。。。

"未分別ごみ"として民間のリサイクル会社に売ります。

5円/kgの叩き売りです。

せっかく住民がリサイクルの意思を持って出してくれた資源ごみを

建物に入りきらなかったからと言って

民間業者にそのまま渡してしまうのです。

なんと悲しい結末。

こちらのキャパを超えるという問題の他にも、

我が物顔の野良犬に荒らされる、

(向かい側から野良犬が来るとこっちが道を譲ります。笑)

道端に住んでいる生業を持たない住民たちに盗まれる、

家の前にごみを放置したくない住民から苦情が来る、

など、問題はさまざま。

別に盗まれてもいいじゃん。。。と思うのですが、

だめだそうです。

でもやっぱりこんな集め方ではいつまでたっても

ごみ埋め立て場に運ばれるごみの量は減りません。

たくさん電話が来た日は遅くまで回収作業をし、

少ししか電話が来なかった日はおしゃべり好きなおばちゃんと

お茶をして時間をつぶして帰ってくるトラックも

このままではいけません。

ということで、回収効率を上げようと色々取り組んではいるのですが

それはまた別の機会に。

最後に溢れ返ったリサイクルセンターの様子をご紹介します。

人の大きさと比較してみてください。

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