2023/05/17 Wed
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水も飲めない!?ヨルダンでイスラム教徒に混じって断食してみた結果 Part2
今回もヨルダンでのラマダン生活に関する記事(Part2)です。この記事では家庭に密着したよりローカルな体験など前回の記事で書ききれなかった話題を盛り込んでいきたいと思います。
目次
- 1家庭でのイフタール体験
- 2イード休暇
- 3ヨルダン人以外のムスリムコミュニティ
- 4まとめ
1家庭でのイフタール体験
ムスリムの1日の断食明けの食事の事をイフタールと言います。
このラマダン期間中、近所に住んでいる仲の良いムスリムの家庭に呼んでいただき私も家庭でのイフタールを体験する事ができました。
玄関にはラマダンカリーム(ラマダンおめでとうの意味)の飾りが
家の中にも数々のデコレーションがあり、全て奥さんの手作りだと聞いて驚きました。
ラマダン期間中だけ毎年特別に飾り付けをしている様です。
この家庭では、13歳の子どもも断食しているのを見て素直に尊敬しました。
断食が明ける19:00頃までの間、食事を作ってから空腹に耐えるために寝て過ごしている姿を見てその努力する姿勢に感銘を受けました。
断食が明けてから、いきなり猛スピードで食べるという事はせずまずは軽食からスタートします。
デーツ(乾燥なつめやし)が定番ですが、この日はチーズをカリカリに揚げたサンブーサも頂きました。
飲むヨーグルトは酸味が強く個人的にあまり好きではないのですが、私も緩い断食をしていたため何でも美味しく感じました。
これが食に感謝した時にしか分からない感覚なのでしょうか。
続いて豪快に羊肉を盛り付けたサウジアラビア料理のカブセを食べます。
食後はスイーツです。
アラブのスイーツは色々あるのですが、カターイフと呼ばれるラマダンの時期にしか食べない特別なものがあります。
中にチーズが入っていて外にシロップをかけて食べます。
この時期しか食べないからこそこのスイーツを食べるとムスリムたちは今ラマダン中だという事を意識づけられるそうです。
面白いのがイフタールをお互いに招待し合う習慣です。
兄弟や親戚も一緒に食事をしていたので私だけが家族外から呼ばれている訳ではありませんでした。
家族を次々に紹介してくれたおかげで私も色々な家庭のイフタールに参加する事ができ交友関係が広がりました。
3日連続異なる家庭でマンサフを食べたのも良い思い出です(笑)。
2イード休暇
約1ヶ月のラマダンが終わるとイード休暇が始まります。
このイード休暇は年に2回あるのですが、ラマダン明けのイードは「断食明けの祝祭」という位置づけです。
ムスリムは親戚の家を訪問したり旅行に出掛けたりします。
私も他のボランティアと一緒にヨルダン国内を旅行しました。
旅行先で会ったムスリムは新しい派手な服装の人が多く、近隣のアラブ諸国からも来ていました。
旅行中ヨルダン人家庭でご馳走になりました。
ここでもヨルダン人のホスピタリティに触れます。
ラマダン明けはチョコレートなどのお菓子が振る舞われます。
3ヨルダン人以外のムスリムコミュニティ
ヨルダンに住むヨルダン人以外のムスリムのコミュニティにも興味があったのでインドネシア大使館主催のラマダン明け大祭に参加させて頂きました。
このイベントはハラルビハラルと呼ばれ、アラブ社会では見られません。
まずは集団礼拝が行われて、その後に円形になってお互い握手をしながら挨拶を交わしました。
日常の失礼を詫びて許しを請うという意味合いがあります。
その後皆でインドネシア料理を食べました。
アラブ料理と違って彼らは辛い味付けが好きです。
意外に知られていないですが、インドネシアは世界最大のムスリム人口を抱えています。
イスラム教のコーランはアラビア語で書かれているためアラビア語を学びに500人程度がヨルダンに滞在していると聞きました。
面白いのがラマダンの始まりとラマダンの終わりは月の満ち欠けによって決まるので世界統一ではなく国ごとによって異なります。
そのためインドネシア現地とヨルダンに住むインドネシア人はラマダン明けのタイミングが異なりました。
私は大学時代インドネシアに留学していた経験がありますが、両者を比較すると宗教は同じでも文化に多様性が見られて興味深いです。
4まとめ
ラマダンを通して学んだ事があります。
まず、ラマダン明け後も自分の食事の絶対量が減り、今までは必要以上に食べ過ぎていた事に気づき自分の食習慣を見直す事に繋がりました。
上限のない物質的な豊さを求め続けるよりも、今ある最低限の物だけでもコスパ良く人間満足する事ができるという事に気付かされました。
そして、人との繋がりの力を強く感じました。
私自身断食を1人の力で継続して行うことは不可能だと感じましたが、皆で支え合いながら一緒に乗り越えていく所にイスラム教の共同体としての強さを感じました。
あるムスリムが「ラマダンの時期は一年の中で一番幸せだ」と言っていたのが印象的です。
普段よりも友人や家族と密に繋がりその共同体の中から感じられる幸福度が高いからです。
そのため「ずっとラマダンが続けば良いのに」とも言っていて最初は驚き理解できませんでしたが、ラマダンが終わる頃にはその意味が分かりました。
日本人にとっては馴染みの薄い習慣だと思いますが少しでも多くの人にこういった異なる世界、価値観があることを知って頂き良い点を取り入れて欲しいです。
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