2023/05/14 Sun
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水も飲めない!?ヨルダンで日本人がイスラム教徒に混じって断食してみた結果 Part1
ヨルダンでは3月23日から約1ヶ月間ラマダン期間でした。
多くの日本人の方にとっては馴染みのない話かもしれませんが、イスラム教徒の方々にとっては1年の中でもとても大切な時期です。
この時期は町の雰囲気や生活習慣など全てが変わります。
私は沢山貴重な経験をし、多くの事を学ぶことができました。
今回は2回に分けて私の経験を綴りたいと思います。
目次
- 1ラマダンとは
- 2普段とラマダン中の違い
- 2-1町の様子
- 2-2人の様子
- 2-3喜捨
- 3モスクでのイフタール体験
- 4まとめ
1ラマダンとは
ラマダンはイスラム教の最も重要な行事の一つで、イスラム暦の9月から始まり1か月間ムスリム(イスラム教徒)は断食をします。
日の出から日没までの間は食べることも飲むこともできません。
なぜ、この様な苦行をしなければならないのでしょうか?
ラマダンは、信仰心を高め、自己犠牲や断食によって自己修練を促すための期間と言われています。
断食はムスリムにとって重要度が高く五行(5つの義務)の1つとされています。
1) 信仰の告白(神を信じることを声に出して言う)
2) 礼拝(お祈りを1日5回する)
3) 喜捨(富める者は貧しい者に与える)
4) 断食 サウム(イスラム暦9月の1ヶ月間日中の飲食を断つ)
5) 巡礼(一生に一度は聖地のメッカへ行く)
断食以外にもムスリムはラマダン期間中ケンカなどの悪いことは慎み善く生きなければなりません。
2普段とラマダン中の違い
2-1町の様子
ラマダン中街の雰囲気はガラッと変わります。
ヨルダンの街には、特別な飾り付けが施され祝祭ムードに包まれていました。
各家庭内にもデコレーションがありワクワクする様な雰囲気でした。
ラマダン用のグッズが沢山販売されていて、家の中をオシャレにデコレーションしている家庭も多かったです。
町の色々な場所に飾り付けがあって見慣れている風景もいつもとは違う感じがしました。
2-2人の様子
ラマダン期間中は、飲食の制限によって多くの人が疲弊し痩せている様に見え、活気も感じられませんでした。
勤務時間が縮小される場合も多く、私の配属先機関の活動時間も普段より2時間短くなりました。
活動先では「私たちの前では食べないでくれ」と言われ、「もし食べたければレストランなど別の場所で」と頼まれました。
せっかくの機会なので私も断食をして自分の中にどの様な感情の変化が表れるか確かめることにしました。
とは言え活動中以外は普通に食べて1.5食くらいの緩い断食ですが…
2-3喜捨
ラマダン期間中は、多くのムスリムが喜捨(ザカート)をする傾向があり、物乞いをする人たちもモスクの前や街の中でいつもより多く見かけました。
自分もお金を求められた時に隣にいたムスリムから「ラマダン中に喜捨するといつもより(来世に天国へいくための)ポイントが高くなるんだよ」と教えて貰いました。
初めて自分も数枚のコインだけですが貧しい人々への寄付をするという意思決定をすることになりなんだか不思議な感覚でした。
物乞いをしている人に安易にお金を与えても根本的な貧困問題の解決にはならないと私は考えているため今まで避けていましたがここで初めて例外を作る事になります。
こういった施しを通じて飢餓や貧困層への共感をも深める事ができるのだと思います。
3モスクでのイフタール体験
断食明けの食事はイフタールと呼ばれています。
近所のモスク(イスラム教徒の礼拝所)では食事が提供されていて知人のムスリムに誘われ私も参加しました。
断食は19:00頃に終了し(日没とともに断食が終了するため、毎日時間が変わります)、まずモスクの中で二列に座ってデーツやヨーグルト、レンズ豆のスープなどの軽食を食べます。
その後、お祈りをしてから一緒に食事を共にします。
この日はイエメン料理のマンディを皆んなで食べました。
同じ釜の飯を食べる事によってこの時地域住民との一体感を感じる事ができました。
また、夜中にはタラウィーと呼ばれるラマダンの時期に行われる特別な礼拝もあり同じモスクで私も参加させて貰いました。
普段は5分くらいの礼拝が30分以上続いてとても長く感じました。
異教徒であるにも関わらずモスクやイフタールに招待してくれたことがとても嬉しかったです。
4まとめ
ラマダン期間中は日常生活の中で様々な変化が見られとても興味深かったです。
今まで自分は日本で、友達のムスリムが断食をしている姿を見たことがありましたがムスリムがマジョリティの国でラマダン期間を過ごした事はなく新鮮でした。
日本であればムスリムに対して多少気を遣うことはあってもラマダン期間中でも普通に食事はしますし当然水も飲みます。
しかし、ここヨルダンでは「自分以外の周りの人は全員ムスリム」という状態でマイノリティになるので周囲に配慮せざるを得ない状況でした。
断食する事を強制してくる人はいませんでしたが、「自分も断食に挑戦している」と伝えると喜んでくれる人も多かったです。
ラマダンの初日は自分も頑張って日没まで断食してみましたがとても大変で辛く日中は全く頭が回りませんでした。
断食する事だけを目的に毎日過ごすのであれば寝たりしてなんとか耐える事もできますが仕事をしながらとなると難しく、エネルギーを節約しなければなりません。
断食は到底ひとりで成し遂げられるものではなく、家族や友人と一丸とならなければ到底乗り越えられないと感じました。
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