JICA海外協力隊の世界日記

心はいつも晴れ☀ in Uganda

170,000,000の意味

Mulenbe!(こんにちは)

みなさんは「ルワンダ共和国」という国をご存知ですか。
ウガンダの南側に位置し、四国の約1.5倍といわれる国土が草原となだらかな丘陵で構成されていることから「千の丘の国」とも呼ばれています。小さな国ですが、ルワンダという名前を耳にしたことのある人も少なくないはずです。「ルワンダの涙」や「ホテル・ルワンダ」などの映画をご覧になった人もいると思いますが、この国が有名な理由は虐殺事件が起こった国だからではないでしょうか。

以前から興味を持っていたルワンダへ、学期休みを利用して訪れることにしました。(私たちボランティアは、年間20日間までの任国外旅行が可能です。訪問できる国や場所はあらかじめ指定されており、ウガンダからはルワンダへ訪問することができます。)
ルワンダでは、首都キガリ周辺に点在しているGenocide memorial(虐殺記念館)をいくつか訪れました。銃弾の傷跡が生々しく残っている建物、亀裂や銃創のある頭蓋骨、犠牲者の名前が記された壁(写真下)、一万人の人が虐殺されたという教会には、服をはじめとした遺品が山積みになり、棺には人骨が溢れんばかりに入れられていました。

虐殺はツチ族とフツ族との対立に端を発したものであったこと、一般市民も加わって虐殺が行われたこと、1994年にはわずか100日間で100万人にも及ぶ人々が虐殺によって命を落としたことなど、自分の知識が薄っぺらいものでしかなかったことを思い知らされました。何より「殺す手段として最も苦しむ方法が用いられた」という事実には衝撃を受けました。武器としてマチェーテ(鉈)やマス(釘バット)などが用いられレイプなどもその武器の一つとして使われたこと、そのためにHIV/AIDSが増加したこと、犠牲者は自身の配偶者や子供を殺すことを強いられたり、他の犠牲者の血肉を食らうことを強制されたりしたことなど、目を覆いたくなることばかりでした。綺麗に整備された現在のキガリの街並み(写真上)からは、ほんの20数年前の悲惨な出来事は想像すらできず、だからこそ余計に癒されない傷があるように感じました。

さて、170,000,000という数字は、虐殺によって命を落とした人の総数だそうです(20世紀内)。ある記念館には、The way to lifeとして「Tolerance(寛容さ)」「Education(教育)」「Democracy(民主主義)」「Social justice(社会正義)」というメッセージが刻まれていました。

「この出来事を伝えていくのが私たちの役割。今日、このように出会えたあなた方はもう私たちの友人です。」

虐殺記念館で働く職員の方が言ったこの言葉が今でも胸に残っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
Wanyala naabi!(ありがとうございました)

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