2025/09/23 Tue
まとめ
【63】エジプトはこれからもずっと晴れ!<最終話>

アッサラーム アライクム!
『エジプトは今日も晴れ!』というタイトルで続けてきたこの日記。
今回で最終回です。
最近は各国の事務所単位でのグループ執筆が増えてきていますが、私が書き始めた時は、まだ個人での執筆が募集されており、運よく執筆を担当させていただけることになりました。
週に1回のペースで投稿しよう、となんとなく決めて、なんだかんだ続けてきました。
気付けば、今回で63回目の記事。
典型的な三日坊主の私にしては、上出来です!(自画自賛)
誰も読んでいないだろうとは思いつつ、ほぼ自己満足だとは分かりつつ、文章を書くことが好きだったので、毎回楽しく日記を書いていました。
それが、意外と読んでくれている人がいた!
思わぬところから、「読んでるよ!」という声をいただき、嬉しいような、少し恥ずかしいような。
でもやっぱり、嬉しかったです。
任期を終えて帰国する時に後輩隊員からもらった言葉。
「はるさん(←私のこと)が書く文章が好きでした。・・・はるさんの人柄を通して見るエジプトは温かくて素敵な場所に見えます。・・・」
私にとって、最大級の褒め言葉です。
文章を褒めてもらうことなんて普段ないけれど、文章以上のものを褒めてもらった気に(勝手に)なり、エジプトでの2年間を肯定してもらった気に(勝手に)なりました。
1回目の記事に、私はこう書きました。
「知っているようで知らない、エジプトという国について、これから紹介していきます!」
この日記を通して、少しでもエジプトという国の面白さが伝わっていれば、エジプト人の温かさを感じてもらえていれば、何よりです。
読んでいただいた皆様、ありがとうございました。
書く機会を与え、サポートしてくださったJICA関係者の皆様、ありがとうございました。

エジプト、いい国だったな。
『エジプトは今日も晴れ!』我ながらいいタイトルだったし(2回目の自画自賛)、このタイトルにふさわしい国でした。
「もう一度、エジプトへ行きたいと思う?」
帰国後、いろんな人に聞かれます。
うん!と即答ではありません、正直なところ。
学校での活動は、難しかった。
『活動先の先生や子どもの思いを叶えること。 どれだけ小さなことでも、「ハルカが居た意味」を残していきたいです。』
この日記のプロフィール欄に書いた、「活動を通して実現したいこと」です。
みんなの思いを叶えられたのか。私が居た意味はあったのか。
2年間、ずっと考えてきたけれど、自信はありません。(もはや途中から、深く考えるのをやめた)
だから、「もう一度ボランティアとして戻りたいか」と聞かれたら、遠慮しますと答えます。恐らく。
それでも、エジプトで出会ったみんなにはもう一度会いに行きたい。
そういう意味では、またエジプトへ行きたいです。
エジプトが、あんなに面白い国だとは知らなかったな。
エジプト人が、あんなにも温かい人達だとは思ってもみなかったな。
「エジプトへは、希望して行ったの?」
これもよく聞かれます。
私の場合、答え方が少し難しいのですが、応募時の第2希望にエジプトを入れてはいました。
ただ、これはエジプトという国に惹かれたのではなく、活動内容に惹かれてのことだったので、まさかエジプトに行くことになるとは露とも思っておらず。
エジプト!?!?!?というのが、派遣国を知った時の私の反応です。
エジプトと言えば、ピラミッド、砂漠、ラクダ、暑い。
これだけのイメージで、エジプトの地に降り立ちました。
よく、あんなにも何も知らない状態で向かったなと自分でも思います。(知らなかったから行けた、というのもある)
協力隊に参加しなければ、派遣国になっていなければ、私はエジプトを訪れることがなかったような気がします。
遠いし、イスラム教って怖そうだし、アラブ圏って危なそうだし。
遠いのは事実です。
でも、イスラム教が~とか、アラブ圏が~とか、これは違いました。大間違いでした。
イスラム教もアラブ圏も、あまり身近に感じることがないので、一部の情報だけで判断してしまいがちです。
私もそうでした。でも、2年間住んでいたから、断言します。
全くそんなことはない!怖くない!危なくない!(もちろん、基本的な危機管理は必須ですが)
何度でも言わせてほしい。「エジプトは、いい国だった!!」

エジプトで2年間過ごした、今の私のエジプトのイメージ。
人が優しい。親切。元気。明るい。人懐っこい。世話好き。ちょっとおせっかい。
町がにぎやか。活気がある。みんな挨拶してくれる。紅茶飲む?が口癖。
エジプトは、歴史的な遺跡がたくさんあって、世界中から観光客が訪れる素晴らしい国です。
でも、今の私は、エジプトと言えば?と聞かれて真っ先に思い浮かぶのは、エジプトのみんなの顔です。
いきなり外国から来た、言葉も文化も宗教も習慣も違う私を温かく受け入れてくれる、器の大きな人達でした。
私のことを排除しようと思えば、簡単にできたはずなのに。
違う国から来た、何もかもが違う、よく分からない人として、放っておくこともできたはずなのに。
みんなは、私のことをのけ者にするどころか、輪の中に入れてくれました。
「友達だから」「姉妹みたいなものだから」「ハルカは家族だから」と言って、仲間にしてくれました。
まるで当たり前のように。そうするのが当然のように。
これが当たり前ではないこと、彼らの人柄があってこそだということ、決して忘れないでいようと思います。
輪に入れてくれた。仲間にしてくれた。
だから、私も彼らを知りたいと思いました。
彼らの言葉、文化、宗教、習慣を少しでも理解したいと思いました。
彼らの願いを叶えたい、役に立ちたい、笑顔にしたい、そう思えました。
もしも、と考える。私達が逆の立場だったなら。
私は、あんなに優しくしてあげられただろうか。
たくさんの優しさをくれたから、今度は私が、いつかどこかで誰かに、優しくしたい。
できるかな?じゃなくて、優しくする。願望ではなく、決意です。
エジプトは私にとって、日本から遠く離れた国、ではもはやなくなりました。
みんなの顔が見える。みんなの声が聞こえる。
名前も職業も性格も知っているよ。
一緒に何をしたか、どんな会話をしたか、いくつものエピソードを思い出せるよ。
そこは、たくさんの友達が暮らしている大切な場所です。
暑い国だと思っていたエジプトは、温かい心を持った人達で溢れている国でした。
今日も、エジプトはいい天気なんだろうなあ。
今日も、みんなは陽気に愉快に、まるで太陽のように生きているんだろうなあ。
ねえ、元気にしてる?
エジプトが、これからもずっと、晴れ続けますように!
SHARE





