JICA海外協力隊の世界日記

エジプトは今日も晴れ!

【28】奇跡的な再会の話

アッサラーム アライクム!

最近起きた、とても嬉しかった話です。


最近、と言いながら、話は1年以上前にさかのぼります。

活動先の学校からの帰り道に、小さな花屋がありました。
お兄さんが1人でやっているお店で、毎日前を通るので気になっていました。

1年前の5月、初めてこの花屋に入りました。
赤いバラを1本だけ、買うつもりでした。

そのように伝えると、オレンジ色のバラ、白い花、カスミソウを入れて、リボンまでかけ、小さな花束にしてくれました。 

赤いバラ1本分の代金だけ受け取り、「僕からのプレゼントだよ」


この頃は、エジプトに来て約3ヶ月、エジプト人の若干強引なところにも慣れてきていたところでした。
お兄さんの名前はセーフ
とても紳士的で、エジプト人にもいろんな人がいるなあ、と当たり前のことだけど、なんだかハッとさせられたのを覚えています。

それから、何回か花を買ったり、買わなくてもセーフに毎日挨拶をして帰っていました。

しかし、お店が閉まっているが続きました。
どうしたんだろうと思い、近くの店の人に聞くと、「首都のカイロへ引っ越したよ」

かなり衝撃的でした。

「お店が突然閉店する」
「先生がある日急に、今日で勤務最後なのと言う」
「子どもが知らないうちに転校している」

今となれば、こんなことはエジプトでは当たり前だと理解できます。

でもあの頃は、「人に知らせずにいなくなる」なんてことがあるとは思いませんでした。
(もしかしたら、伝えようとしてくれていたけれど、私がアラビア語を理解できなかっただけかも)

今振り返っても、誰かと突然別れることになったというのは、これが最初だったように思います。

こんな広いエジプトで、もう二度と会えない。
もし、最後だと分かっていたら、もっといろんなことを喋ったのにな、と思いました。

それから1年以上が経った、今年の6月のことです。

たまたま、いつもとは違う道を通って、学校から帰っていました。
ふと見ると、何かのお店が新しくできていて、開店準備をしている様子でした。
男の人が数人でトラックから、荷物を降ろしています。

よく見ると、花屋のようです。
歩きながら、なんとなくその様子を流し見すると。・・・!?

そこには、セーフが!!!
「え!?元気だった!?会いたかったよ!!」
セーフも私のことを覚えてくれていました。

クエスナに戻って来て、新しくお店を開くとのことでした。

すると、セーフはお店にあった花で、また花束を作ってプレゼントしてくれました。
一緒に作業していた仲間は、「おい!何してんだ!」と言っていましたが・・・

私が興奮しながら、「1年ぶりに再会したんだよ!私、すごく嬉しいよ!!」
と言うと、「まあ、そういうことなら・・・」という感じで、笑って待ってくれました。

「ありがとう!またね!」と言って、花束片手に帰りました。


再び会えたことに感謝しつつ、でもこれは本当にすごい奇跡で、こんな風に会えないことの方が圧倒的に多いです。

「人と丁寧に関わる」大切さを改めて感じた出来事でした。

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