JICA海外協力隊の世界日記

わくわく クマエだより

#9 わくわく クメール正月がやってきた。

カンボジアでは414日~16日の三日間、クメール正月と呼ばれるお正月を迎えました。カンボジアもいよいよ兎年に突入です。一説によると、その昔カンボジアのお正月は1月でしたが、米の収穫が3月まで続くため、閑散期の4月に変更したと言われています。今回はそんなクメール正月の様子をお届けします。

うさぎ年.jpg

まちが賑やかに

クメール正月が近くなるとコームと呼ばれる星形をしたものが軒先に飾られ、まちの雰囲気が一変します。なんだか楽しい雰囲気になりますね。

家の前のコーム.jpg

シェムリアップ川にはボートに乗って楽しんでいる人々がいたり、川沿いにも出店もたくさん出ていたりとわくわくが伝わってきます。

シェムリアップ川の船.jpg

仕事納め

職場はというと、日本の会社でいうところの「納会」もやりますが、日本とは違い、お坊さんを職場に呼んでお経を唱えてもらいます。写真の場合、壁側に5人のお坊さんが座り、手前には職員達が向かい合って座り、一緒にお経を唱えます。

職場のお祈り.jpg

一年の厄払いを

お経が終わりしばらくすると、伝統衣装を来た集団がこちらにやってきて鈴を鳴らしたり歌ったりしながら、ロバムトロと呼ばれる伝統的な踊りを披露していました。この踊りには、一年の厄を払い新年が幸せになるようにとの願いが込められているそうです。この踊りは、お正月近くなると街の至るところで見られ、外にいるとどこからともなく鈴の音が聞こえてきます。鹿を追い出すストーリーになっていて、この鹿は悪いことを持ってくる動物の象徴として表現されています。

伝統的な踊り(済).jpg

お正月と女神の関係

神の世界には曜日ごとにそれぞれ7人の女神がいるとされ、今年は14日の金曜日からお正月が始まるので、金曜日の女神が水牛に乗って降りてくるそうです。この降りてくる時刻が今年は16時と決まっており、ここからがお正月の始まりとなります。

テバター森済.jpg

この女神の場合、お供えするものはバナナでラッキーカラーはということも決まっていて、写真のお供えものをよく見ると確かにバナナが供えてあります。クマエの人たちは生まれた曜日まで覚えている人が多く、きっとそのような女神への信仰も大切にしているのかもしれません。

供え物(バナナ).jpg

コームの形

コームと呼ばれる星形の飾り物は、今でこそ電球で光らせていますが、昔はこの中にろうそくを入れていたらしいです。テバターが降りる時の目印になるそうです。そう思うとコームの色自体も派手で遠くにいてもすぐに目に入ります。知り合いのクマエにこの形の由来を聞くと、神様の世界は星がいっぱいあり、月も近いのでこのような形になったとのことでした。当時の人々は、空を眺めながら神様の世界を重ね合わせ、現実の世界にも再現しようとしていたのかもしれません。

コーム済.jpg

お寺では

お正月の間、お寺ではご先祖様のために自分の家から持って来た料理をお供えする人達も見られました。

供え物.jpg

終えてみて

クメール正月は、長い伝統がありクマエの人たちの信仰が深く関わっていることがわかりました。その国の宗教観を知ることはその国の文化を深く知ることにつながってくるなと実感したお正月でもありました。

今回も読んでいただきありがとうございました。

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