JICA海外協力隊の世界日記

作業療法士のペルー奮闘記

家族愛溢れるペルー

オラ!

リマはやっと夏真っ盛りな天気になってきました。

(写真は冬です笑)

北部の方は年中暑いですが、リマは基本的に曇りです。

ですが、夏になると太陽に出会えて、

気持ちのいい日差しを浴びることができます。

今回は、配属先の活動ではないですが、

わたしの活動の軸になっている午後の家庭訪問について

お話したいと思います。

わたしの配属先での活動は基本的に14時過ぎには終わるため、

午後は空いた時間を利用して、

同僚等と一緒に家庭訪問をしリハビリを提供しています。

その中で、新年を一緒に過ごした、

一番長く関わらせていただいている家族のお話をしたいと思います。

去年の4月頃から週に3回くらい、

80代の女性にリハビリを提供しています。


はじめは、単純に不動から生じる廃用という感じでした。

そのため、

適度に身体を動かした後、意欲的な歩行を促すだけで、

1.2ヶ月後には車椅子で生活していた人が歩行器、

調子のいい時は補助具なしで1人で歩けるまでになりました。


彼女は、様々な病歴を抱え、今はアルツハイマー病も発症しています。

それ故に、喜怒哀楽の感情が一気に来る時もあります。

運動のリハビリが出来ない時もありました。


約1年近く関わる中で、家族には本当にお世話になっているし、

何よりもわたしは色々な感情を与えてもらっています。


ペルーの家族は、何世帯もが一緒に住んで

お互いに助け合って生活しています。

どんな人にも家族は重要な存在ですが、

彼女にとって一番の幸福要素は家族の存在なのです。


そしてわたしの役割は、

「家族と彼女がより幸せに過ごすためにサポートすること」


・分からないことを無理やり聞かない

・一気にたくさんの情報を与えない

・ネガティブなことは言わない


この3つを家族に伝え、

口腔ケアや呼吸リハ指導しながら関わっています。

今は別の病態が芳しくなくベットでの生活ですが、

つい先日とても感動的なことがあったので紹介します!


その日、いつもと同じように顔を出すと

数日前はぐったりして会話は出来なかった彼女が、

その日はとてもお喋りでした。

そして、いつも通りリハビリをしていると、

いつもは遠慮しがちな旦那さんが部屋にやってきました。

彼女は旦那さんの顔を見るや否や、

「オーラ!○○(旦那さんの名前)!

長い間、あなたを見てないわ!!

どこにいたのよ(涙を流しながら嬉しそうに笑う)」


旦那さんの目にも涙。

普段はこんなに大きなリアクションはなく、

補聴器を利用している旦那さんは

お互いに聞き取りづらく、

彼女と長い会話が出来ません。


様々なことを忘れる、子供の名前も忘れる、

リアクションが少なくなる、特定の人としか話さない、

昼夜逆転、など本人にとっても辛いことが多い日々。


旦那さんも他の人と話す方が元気になる、涙が出てしまうので。

と、あまり一緒に過ごさなくなっていました。


そんな中で起きた本当に素敵な瞬間。。。


ハグをしてキスをする。愛情に溢れてる。

こういう瞬間を共有できるから、

この仕事が好きなんだなぁと改めて実感しました。



子供(8人)名前を繰り返したり、

私の事を覚えていてくれたり、歌ってみたり。


平和で暖かい時間を一緒に過ごさせていただきました。


わたしは今日も元気です!


沢山の人に助けられながら。


今日もたくさんの笑顔で溢れますように☆

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