JICA海外協力隊の世界日記

ルワンダ支局ルラミラ通信

第15号 水の防衛隊 井戸修理にトライする

写真1:井戸のパイプを引上げ中

Muraho!(こんにちは)
私は「水の防衛隊」(略して、水防)の一員として派遣されているので、今回は水防らしい活動についてご紹介したいと思います。

水の防衛隊」とは、アフリカで「衛生」の課題に携わるJICA海外協力隊員のことです。
2020年3月1日時点では、エチオピア・ウガンダ・カメルーン・マラウイ・ベナン・モザンビーク・ルワンダの7か国に派遣されており、ルワンダでは10名の隊員が活動しています。

ルワンダの水防隊員は全員東部県に派遣されています。
理由は、ルワンダ東部は国内でも降雨が少なく水不足となりやすい地域でありながら、給水設備の設置や管理が行き届いていないためです。

主な給水設備(公共水栓・湧水・井戸)の中でも、井戸は故障が出やすい設備のため、周辺住民が主体となって管理することが行政から求められています。(壊れた場合の替部品や修理道具の入手、部品購入のため集金、修理や維持管理等)

しかしながら、集金がとん挫する、そもそも修理ツールを持っていない、修理の知識がない…等々の背景から、井戸が壊れると放置され、住民は別の水源を利用するというのが現状です。

そこでルワンダの水防隊員は、
・井戸を管理する住民委員会の設立や運営のサポート
・井戸が壊れた場合の修理のサポートや知識の伝授
・行政職員にも関わってもらうための住民との橋渡し役
として、自分たちの任期終了後も地域住民で運営できる体制づくりを念頭において、活動しています。

赴任当初、井戸の修理知識はほぼゼロの隊員ばかりですが、歴代の水防隊員が残してくれた修理マニュアルや資料、修理経験が豊富な先輩隊員に情報を得たり、ルワンダ人技術者を繋いでもらったり、自分たちも学びながら、地元住民の井戸修理や運営のサポートを行ってきました。

東部県のカヨンザ郡には私を含め3名の水防隊員がいます。
普段は離れた地域に住み活動していますが(互いの任地を行き来するには1時間ぐらい)、井戸の壊れ方も色々なパターンがあるため、一緒に修理に取り組んでいました。

2月下旬、2月に着任したばかりの水防隊員から「水が出なくなった井戸がある」との連絡を受けて、その井戸に3人で向かい井戸を開けてみました。

写真2:協力的な井戸の管理メンバーと近所の人たち

写真3:十数m以上のパイプを引上げ中。機械がないため、枝が二股に分れている木を使ってパイプを支えます。

水が出なくなった原因を解消するべく内部の部品を交換してみたり、パイプの亀裂を確かめてみたり、その場で対応できることは全て試してみましたが、水は出てこず…。後日再度修理にトライし、水が出るようになりました。

今となっては見慣れた木の枝を使う修理作業ですが、赴任当初は「なんて原始的な方法なんだ…」と正直驚きました。
でも村のルワンダ人の仕事や農作業風景を見ていると、大人に限らず子どもも、私よりよっぽど自然のシンプルな法則や原理を理解して取り入れていると毎回感心させられました。

時間配分や段取りが得意な日本人。身の回りにあるものをうまく使うことが得意なルワンダ人。
日常生活から個々の活動まで持ちつ持たれつで成り立っていたな、と改めて思い返しました。

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