2016/08/19 Fri
文化 活動
保健師として近県エリアの支援
こんにちは!日本は真夏で暑い日々を送っているでしょうか?
通常ウガンダは25度前後の乾燥した気候でとても過ごしやすいのですが、ここ最近は経験したことのない肌寒さを感じ朝を迎えています。ウガンダ人も「こんなに寒いのは、初めてだ。気候変動で何かおかしくなっている!」と言っています。また、雨期にしかはやらないコレラがなぜか乾期にブレイクするなど、ここウガンダでも異常気象による影響を感じています。
さて今回は、保健師の活動をご紹介したいと思います。
私の配属先ジンジャ県地域中核病院は、約10の近県を包括する大きな病院です。ジンジャ病院には6名の保健師兼看護師が勤務しており、WHO支援、保健省指示のもと、保健師+医師がチームを組み、包括する地域をラウンドし、「保健施設の医療サービスの状況を監査する」という活動を行っています。
今回は予防接種のモニタリングでした。
こちらの写真はヘルスセンターⅢです。ウガンダの医療施設の規模は、地域中核病院、県立病院(無い場合もあります。)、ヘルスセンターⅣ、ヘルスセンターⅢ、ヘルスセンターⅡと別れています。日本の医療施設にたとえるならば、地域中核病院は大学病院、県立病院は市民病院、ヘルスセンターⅣは入院施設のある診療所、ヘルスセンターⅢ、Ⅱは保健センターと言った具合です。主なスタッフ配置は、地域中核病院~ヘルスセンターⅣは医師+看護師、ヘルスセンターⅢはクリニカルオフィサー(軽い外科処置のできる准医師)+看護師、ヘルスセンターⅡは看護師です。
こちらは、ヘルスセンターの予防接種記録を確認しているところです。
監査スタッフはWHOより予防接種監査用のチェックリストを渡されており、そのチェックリストにそって保健センターの医療パフォーマンスを評価しています。
例えば、 『記録は抜けなく書かれているか、 啓発ポスターは患者に目のつくとこに掲示されているか、 ワクチンを保存する冷蔵庫の温度は適切に管理がされているか、 地域での予防接種キャンペーンの計画は立っているか、またそれを実施できているか』 などです。
訪問したヘルスセンターでは週2回の予防接種日が設けられており、そのうち1回は村に出てマンゴーツリーの木の下で出前予防接種をするそうです。保健センターは交通費手当の支給が無いため、行きは実費でバイクタクシーで村まで行き、帰りは炎天下の中、空のクーラーボックスをかついて歩いて帰ってくることが多いそうです。時には数十キロ歩くのだとか。大変です。
保健センターを回っていたら、日本の支援で寄付された冷蔵庫をたくさん見かけました。
ジンジャ病院の監査チームは、この後各県の保健医療担当職員をジンジャ病院に招き、監査結果の共有しました。
日本の保健師は、保健所、保健センターで行政の仕事、地域密着の仕事を任されることが多いですが、ウガンダでは多くの保健師が大きな病院に勤め、ヘルスセンターの監査役、アドバイザーとなることが多いようです。
余談ですが、TBA(traditional Birth Attendant、伝統的産婆)の話をヘルスセンターで聞くことができました。ウガンダ保健省ではTABを廃止する方向に進んでいるようです。ジンジャ病院の看護師に聞いても「今はTBAはいないよ、ほとんど病院でお産してるよ!」と言いますが、ヘルスセンターで話を聞いたところでは、まだまだTABにお産を取り上げてもらうお母さんは多くいるそうです。その理由のほとんどが、ヘルスセンターへ行くお金がない、ヘルスセンターから助産師を呼んでも交通費を払えないのだそうです。まだまだ取り組む課題は多くあると感じました。
今回は、病院の外を出て、患者さんの生活する地域を見ることができとても良い勉強になりました。また機会があったら村にでてみたいなぁと思っています。
それでは今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。Webale nyo nyo! (Thank you so mush!)
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