JICA海外協力隊の世界日記

Madamadamadagascar!

マダガスカルで買い物すごろく

 以前に「家計研修」の記事で少し触れた、「買い物すごろく」を用いた講習会を本格的にスタートしました。

狙いとしては、すごろくに買い物の要素を盛り込み、遊びながら「予算の範囲内で選択し、購入する」という適切な消費活動を模擬体験してもらい、買い物をした都度家計簿に記録することで支出を可視化するきっかけを作ることです。

遊び方は、以下の通りです。

1.参加者全員3,000Ar(日本円にして約10円。一家族の一日の食費と仮定する)持ってお買いものに出掛けます。サイコロを振って、止まったマス目にある食物を「買う」か「買わない」か、を選びます。

2.買ったときは購入したもの、その値段、残金(3000Ar-その値段)を疑似家計簿に記載します。

3.通常のすごろく同様、早くゴール出来た人にはポイントが与えられます。(一位は50点、二位は40点等。)ただ、栄養バランスが偏りがちのマダガスカルにおいて、バランスを考えながら買い物をする習慣を身に着けてほしいという思いから、より多くの栄養素を集めた人が勝ちというルールも追加しました。栄養指導を行っている政府機関SEEKALINの推奨する7大栄養素の表を取り入れ、マスをそれぞれの栄養素に該当する色にしています。(写真上参照)一栄養素(=一色)10点で、七色全て集めた場合には70点が加点されます。

4.その他、クイズのマスに止まったら、クイズカードを引き「石鹸がないときには代わりに何を使って手を洗うか」「歯を磨くときには、何処を注意して磨くべきか」など生活に纏わるクイズに答えます。答えが合っていたら2マスすすみ、間違っていたら2マス戻ります。

実際に農家グループと実践してみて、単なるワークショップだと参加度にムラが出てきてしまうものの、ゲームであれば参加者の知識や性格関係なく、全員が万遍なく楽しめたことが良かったと思いました。多くの色を集めるのがルールのため、同じ色(栄養素)に所属している物を買わないようにと考える過程で、参加者同士「何と何が同じ栄養素か」と話し合う場が多く見られたのも嬉しかったです。

ゲームで用いた疑似家計簿の紙は、参加者に一人一枚ずつ配って持って帰ってもらったので、「これを参考に、今後は買い物をするたびに記録するよ」と言ってくれた方もいらっしゃいました。

ただ、収穫物の自家消費が多い小規模農家にとって、実際には一日の食費に3,000Arも使えることは少ないため、知識として多くの栄養素を取り入れることが大切だと学べたとしても、実生活に役立ないのではないかという懸念もあります。

今後は更に多くの農家グループと実践し、感想を聞きながら、より良い教材となるよう改良していきたいと思います。

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