JICA海外協力隊の世界日記

マラウィ・デイズ

バケツ4杯分の幸せ

トタン屋根に雨がぶつかる音が聞こえてきた。

急いでバケツを持って外に出る。

少しでも多く水を貯めるために。

水道が止まって2週間が過ぎた。

家から200メートルほど先に村の共同井戸があるので

生活用水は何とかなる。(写真上)

もともと水道がない隊員もいる中で、

水道の蛇口が付いているだけでもありがたい。

井戸で水汲み。アフリカの僻地隊員の醍醐味だと、

はじめは楽しんでやっていた。

しかし、一度に運べるのはせいぜい10リットル。

腰痛持ちには何往復もするのはちょっとキツい。

だからこそ、今にも降りそうな雨雲を見ると

少しうれしくなる。

雨が降りだしたら、屋根の下にバケツを置いておけばいい。

そうすれば40リットルくらい労せず手に入る。

今が雨季でよかった。

4つのバケツがすべて満タンになった。

なんだろう、この幸福感は。

安心感と言ってもいい。

これで今日と明日は井戸へ行く手間が省けた。

水面に虫や葉がたくさん浮かんでいようが、

少しくらい水が淀んでいようが気にしない。

貴重な生活用水なのだから。

「恵みの雨」という言葉を

何度となく耳にしたことはあったけど、

感覚ではなく実感としてわかったのは

協力隊に参加したからこその大きな気づきだ。

この国に雨季があってよかった。

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