JICA海外協力隊の世界日記

マラウィ・デイズ

もうひとつの収穫

国民の8割近くが農作業に

従事するマラウイの人々にとって、

一年の中でとても大切な行事。

それは主食であるトウモロコシの収穫だろう。

雨季に入り種植えが始まったころから、

収穫作業をやってみたいと思っていた。

現地の人たちと一緒に汗を流せる絶好の機会。

これでまたひとつ、マラウイという国の理解に

一歩近づけると考えたのだ。

配属先であるカレッジの副校長カラワ先生。

何かと校内で一緒に活動することが多い

カラワ先生宅のトウモロコシ畑で、

収穫の手伝いをやらせてもらえることになった。

この副校長カラワ先生は自分自身にも学生にも厳しく、

いつも凛としたかっこいい女性。

きっとデキる人なのだろう。

必要なこと以外はあまり話さず、

ニコニコ愛想がいいタイプではない。

それでも、学生たちから絶大な信頼があることは

彼女のクラスに参加していればわかる。

マラウイ人にはとても珍しく、時間も約束も守る。

彼女の授業はいつも時間通りに始まり

時間通りに終わる。

日本では当たり前のことだが、

残念ながらこの国ではそうではない。

収穫作業は、家族総出で行われていた。

幹と幹の間には、ハンドボールほどの大きさの

パンプキンも育っており、それも一緒に収穫した。

学校ではいつもビシッとした服を着て、

背筋もピンと伸ばして歩くカラワ先生が、

今日は前掛けをつけて、バンダナも頭に巻いて別人のよう。

その農婦姿がとてもよく似合っていた。

そして、いつもより格段に笑っていた。

人って着るものと表情でこんなにも印象が変わるのか…。

決して広い畑ではない。

だから収穫はわずか1日で完了した。

私にとって任国での初めての収穫体験は、

トウモロコシでもパンプキンでもなく、

いつもは厳格なカワラ先生の

可愛らしい農婦姿とのギャップ。

そして、収穫を終えて家族と私に向けてくれた

あの優しい笑った顔。

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