JICA海外協力隊の世界日記

モロッコ通信〜Heartful♡SidiKacem〜

断食合宿

ラマダン中に1週間のバカンスがあり、知り合いのおうちに泊まらせてもらいました。モロッコ人と共に過ごすからには「私も断食します!!」と宣言。

フトールに招待してもらった日などにせめてもの礼儀(?)としてちょこちょこ断食することはありましたが、1週間連続で断食するのは初めてです。それとこの1ヶ月をどんな生活リズムで過ごしているのか不明な部分が多かったので、ラマダンの実態調査ができるぞ~とわくわくしながら向かいました。

18時半過ぎに日が沈んで断食が明けたら、家族みんなで食卓を囲んでフトール(朝ごはん)を食べます。今日も無事に断食できたことにほっと一安心。IMG_3890.jpeg

テレビをつけると国王のお祈り風景やメッカでの巡礼風景が放送されていて、「一緒にラマダンしている!」という謎の仲間意識が芽生えます。IMG_3940.jpeg

23時くらいまでお茶を飲んだりおやつをつまんだりしながら胃の隅々に食べ物を詰め込んでいきます。お客さんが遊びに来たり、ラマダン明け用に新調するジュラバやフラを探しにお出かけすることも。ハマム(公衆浴場)へも、水が飲めるこの時間に行きました。IMG_4060.JPG

日付が変わる頃、一旦ベッドに入って眠りますが、翌朝4時に起きて(起こされて)、ぼんやりしながらスホール(夜ごはん)を食べます。早朝からガツガツ肉やら炭酸飲料やらを摂取し、食べたらまたすぐ寝ます。胃にも腸にもなんだか申し訳ない。断食は健康に良いと言われますが、こんな生活絶対不健康・・IMG_3938.jpeg

お昼前に起き出して、日中は食材の買い出しに行ったり掃除や洗濯をしたり、気ままにお昼寝をしたり、IMG_3866.jpeg

羊を追いかけたり、IMG_3888.jpeg

小学生に日本語を教えてみたりもしました。「日本語覚えていつか日本に行きたい!」と目をキラキラさせているキッズがかわいい。IMG_3934.jpeg

17時くらいからフトールの準備を始めます。モロッコ人の「ちょっと入れて〜」はメジャースプーンで計量できる量をはるかに超えていて、信じられないくらい豪快で大量なので、油は少しでいいよ~砂糖はスプーン1杯で十分だよ~~と控えめにご意見させていただきます。味付けを任せてもらえない私は毎日サラダとジュース係でした。足りないものがあると、「おつかい行ってきて~」と小銭を握らされて近くのハヌートまで走る。空腹もピークを迎えますが、準備をしていると気が紛れます。IMG_3899.jpeg

フトールの準備をしつつ、「今何時?」「まだあと⚪︎分・・」をひたすら繰り返します。太陽の位置をこまめにチェック。早く沈まないかなあ・・(こんなにも時間を気にしているのは私だけで、みんな余裕らしい。)IMG_3946.jpeg

全ての料理をテーブルに並べて、アザーンを待ち構えます。待ちに待った「アッラーーアクバーーール」が聞こえたらに戻る、の繰り返し。

と、こんなスケジュールで過ごした1週間でした。

断食最初の2日は特に大変で、空腹は寝て・喉の渇きは歯磨きをしてごまかしました。ついでにしっかりと肌荒れし、空腹で元気がでないし細切れの睡眠で眠たいし、“気持ちは楽しいけど身体がしんどい〜〜!”という1週間でした。バカンス中だったのでこんなにのんびりゆったりしていますが、普段は日中断食しながら仕事をしなければならず、(バカンス中とはいえ働いている方もたくさんいます。)とてもとても初心者が簡単に真似できることではありません。

ちなみに断食の目的は「恵まれない人たちの気持ちを理解するため・神の恵みに感謝する気持ちを育むため」と言われていますが、お腹が空くといろんなことすっ飛ばしてごはんのことしか考えられなくなる私は煩悩まみれでした・・まだまだ修行が足りません。


IMG_3936.jpeg今更ながら、アザーンのセリフ?を教えてもらいました。モロッコで暮らし始めて何百回と聞いているのに、「アッラーアクバル」の後はなんて言っているのか全くわからなかったのですっきり!私は知らないことを解消したいという思いだけですが、どんなことでもイスラム教について興味を持たれることはものすごく嬉しいことらしく、紙とペン持ってきて!と、あれよあれよと授業が始まります。

いろんなことを教えてもらって経験させてもらって、充実の1週間でした。

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