JICA海外協力隊の世界日記

モロッコ通信〜Heartful♡SidiKacem〜

補習校見学記

日本で生まれ育って、当たり前のように日本の教育や価値観や人間関係の中で生きてきて、自分が日本人であることに対して特になんとも思っていないし日本人たるアイデンティティとはなんぞや・・くらいに捉えていたのですが、そんな自分の存在が異になる環境に身を置いて初めて、猛烈に、「私めちゃくちゃ日本人だ!!」ということを実感する不思議な感覚を日々纏わり続けています。

そんな感覚が芽生えれば芽生えるほど、海外に住んでいる日本の子どもたちに関心を持つようになりました。海外で勉強するってどんな感じなんだろう?言葉の壁とか異文化とかどうやって受け入れているんだろう?日本人“らしさ”みたいなものはどうなるんだろう・・?

いろいろな事情で、海外で暮らしている子どもたちがたくさんいます。インターナショナルスクールに通ったり現地校に通ったりという選択肢はもちろん、日本を離れていながらも日本と同等の教育を受けられる「日本人学校」というものがあり、国や地域は限られますが現在94校もあるそうです。そしてその日本人学校よりも多くあるのが「補習授業校」というものです。

詳しいことはこちらのHPを→https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/002.htm

スクリーンショット 2025-05-26 17.03.49.png↑文部科学省HP「海外で学ぶ日本の子供たち」(2025年度版)から拝借しました。

自分の住んでいる国に補習校があるなんてきっと一生無い経験だろうと思い、百聞は一見に如かず!ということで、実際に見学させていただくことに。

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画角に収まらない広大な学校!モロッコの教育施設の一部をお借りしているそうです。

子どもたちは平日はそれぞれ通っている学校の授業があり、土曜日に習い事に来ているような感じでした。先生も子どももごく少人数で、この日は欠席が多かったこともあり、ほぼマンツーマンのような形で学習していました。てっきり国語の授業をしているものと思っていましたが、クラスによっては日本語を使いながら遊びをしていたり、社会科を勉強していたり。「英語なら説明できるけど日本語はわからない・・」とか「~~は日本語でなんて言うんだっけ??」という滅多に聞くことのないセリフにこれが補習校か・・!と慄きました。

補習校は一時的に海外に滞在する子どもたちが帰国時に困らないよう日本語力を維持するという目的が大きいようで、家族以外だとなかなか日本語で会話する機会もなくなってしまうので、そういう意味でも週に1回の貴重な場です。

平日の学校では英語やフランス語を学んでいながら、ご両親の教育方針とか自分の将来を考えてとかいろいろ理由はあると思いますが、成績がついたり試験を受けたりする訳ではない日本語もプラスアルファで頑張っている子どもたちの小さな背中に、エールを送らずにはいられませんでした。

海外生活の経験があり言語も堪能ならば大学や就職は自ずと海外進出?が視野に入ってくるものかと勝手に思っていましたが、日本の大学に行きたい・日本で働きたいとなることも全然あるそうで、これまで縁のなかった知らない世界の話を聞けたのもとても楽しかったです。

見学を快く受け入れていただきありがとうございました!

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