2025/05/20 Tue
生活
給湯器変遷記


とある休日の朝、目が覚めるとぽたぽたと水が垂れる音が聞こえました。シャワーの閉め方緩かったかな~と見に行きましたが、バスルームはからっからに乾いています。あれれと思いつつ水を飲みに冷蔵庫に向かうと、キッチンの一角が水浸しに!!!
犯人は給湯器で、ぽたぽたと規則的なテンポで水漏れしていました。とりあえずゴミ箱がわりに使っているバケツを設置して、水浸しの床を前に立ち尽くす・・
大家に連絡しなきゃ、でも朝6時なんて寝てるだろうな、この床どうやって片付けよう、いやこの惨状を伝えるためにも現状維持しといたほうがいいのでは、、、とあれこれ思考を巡らせてたどり着いた結論は「見なかったことにして朝を待とう!」(※朝は街が明るくなる8時くらいの意)
いったんベッドに戻りましたが、ぽたぽたが耳に障ってもう寝れません。モノ壊れる(壊す)の何個目だろうとモロッコでの生活を思い返していました。
洗濯機のネジが飛ぶ、豆電球がショートする、シャワーヘッドが割れる、シャワーホースが裂ける、電子レンジのターンテーブルを割る(有罪)、シャッターを巻きづまらせる(有罪)、エアコン…はもともと壊れていた(無罪)
8時過ぎになって大家に連絡すると、「配管工を手配するように」とのこと。配管工の連絡先なんてもちろん知らないので、引っ越してきた時に「必要な時はいつでも声かけてね!」と言ってくれていた親切なお隣さんをはじめて訪問。寝起きのパジャマ姿で出てきた奥様、「旦那ならわかると思うんだけど、帰ってくるの午後なのよね・・」とのこと。ふむふむ、それならばと次はお向かいの歯医者さんへ。受付の方に事情を説明すると、「私はここに住んでないからわからないけど、院長ならわかるかも?」と連絡を取ってくれることに。
騒ぎを聞きつけた?アパートの管理人さんも様子を見にきてくれて、現状維持していた現場を一緒に片付けてくれました。私はちりとりで水をすくって窓から捨てればいいや~なんて思っていたのですが、管理人さんは大きい布に水を染み込ませて→バケツに絞って→トイレに流す、という地道な方法で片付けてくれました。(窓から捨てるのを提案したら即却下された)
そんなこんなしているうちに誰かが連絡してくれた工事の人が到着。元栓を閉めて給湯器を点検してもらった結果、「経年劣化だね!買い換えたほうがいいよ!」とのこと。
ふむふむ、その旨を大家に連絡すると、「店で新しいのを買って交換するように」と一言。
ん?給湯器ってそもそもどこで買えるの?いくらするの?誰が運ぶの?誰が付け替えるの???
工事の人と現地語でしかコミュニケーションを取れなかったので、心配した歯医者のアシスタントさんが仕事を放り出して私の専属通訳としてずっとついてくれていました。彼女に諸々聞くと、「ここ賃貸でしょう?あなたが全額払って取り替えるのはクレイジーよ!」と私に代わって大家と電話で交渉してくれることに。
激しいやり取りののち、給湯器の故障の原因は私が毎日シャワーに入るという普通でない使い方をしているせいだ!という点を攻め立てられて終了しました。横転_(:3」∠)_
(後日事務所から連絡していただいて、大家が新しいものを用意してくれることになりました。)
数日後、大家の知り合いを名乗る人物が運んできたのは、剥き出し状態でボコボコベコベコな旧型っぽい給湯器。キッチンの片隅にポンと置いて、颯爽と帰って行きました。旧(写真上)と新(写真下、ズーム推奨!!)のご対面。
ちょうどラマダン終盤~明けの時期だったので、歯医者さんが長らくお休み。管理人さんにこないだの工事の人の連絡先を聞いてみてもわからないとのことで、歯医者さんが再開するまで気長に待つか~~と思っていたら、工具を持った管理人さんがあらわれ、交換してくれることになりました。「この給湯器すごく古いけど大丈夫なの?」と言われつつ、1時間くらいかけて無事に設置完了!
トラブルがあると結構落ち込むけれど、その度に助けてくれる方々の優しさが沁みます。感謝感謝。
家であったかいシャワーを浴びられたのはなんやかんやで3週間ぶり!ちなみにシャワーが使えない間はハマム(公衆浴場)を利用していたのですが、朝風呂ならぬ朝ハマムの素晴らしさに気付いてしまいました。こんなことに気付けたのもトラブルのおかげ。めでたしめでたし!
と終わりたいのですが、続きがあります。
日々不穏な音を立てながらも働いてくれる2代目給湯器のおかげであったかいシャワーを浴びられる喜びを噛み締めていたのですが、設置から1ヶ月ほど経ったある夜、スイッチを入れてお湯が溜まるのを待っていたら急にシュボーーーと給湯器から煙?があがり、慌ててスイッチを切るとどこかがイカれたようで水漏れが始まりました。ぽたぽたどころの話ではなく、もうドボドボです。結構絶望。
とりあえずバケツを設置しましたが、数時間おきに水を処理しないと一晩で溢れてしまいそうな勢い。これは面倒すぎる、どうしようかな・・
ということで、ペットボトルをよなよな工作してテープでガチガチに固定して、窓から外に水を排出することに成功しました!夜のうちにタンクが空になれば、朝には下の道も乾いて気付かれないだろう・・!上出来。にんまり。一安心して眠りにつきました。
と思っていた翌日、今度は家が断水して、エントランスの水道メーターの前でおろおろしていたら住民の方に声をかけられ、「家から水垂れてるけど、なんかあった?」と聞かれました。ばれてた!!!(この壁を汚した犯人は私ですごめんなさい)
家に来てもらってペットボトルの工作装置をお見せすると、ナイスアイディア!!と褒め称えられ、すぐに大家に連絡してくれて、これまたすぐに新しい(箱入りでピカピカの!)給湯器が届き、そのまま住民の方がサクッと交換してくれました。
え?こんなにすぐ手配できるの?どうなってるの?なんでこないだこうしてくれなかったの??ところであなたは何者???と思うことはぐるぐるといろいろありつつ・・
現在我が家にはリタイアした給湯器が2台転がっています。トドみたい。3台目が頑張っているのを見守っています。(重たすぎてここから移動できない)もう何も壊れませんように。
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