2025/07/20 Sun
生活
モロッコ通信最終号


任地サフィでの最後の晩餐は、いつも世界日記書いたり勉強したりでお世話になっていた行きつけのカフェで食べようと心に決めていました。前々からメニューも決めていたのですが(お店で1番高いやつ!)、いざ注文したら「それは提供できません」とあっさり告げられて撃沈・・望んでいない炭水化物パーティーをするハメに。ああモロッコらしいなあ・・
最終上京日、アパートからバス乗り場まで荷物を詰め込んだビニールカバン(激重)を運ぼうとしたら、アパートの管理人さんが仕事をほったらかして運んでくれました。そうです、例の椅子取りおじさんです。なんて親切な。ああモロッコらしいなあ・・
さてそんなこんなでいよいよ帰国!です!数ヶ月前からスマホのメモに書き留めている帰国したらやりたいことリストが果てしなく長くなっていて、もうすぐ日本♩うきうき日本♩の気持ちが日々高まり続けています♩私の中の日本イメージは現在キラッキラに美化されています♩♩♩あんまり寂しいという気持ちがないのは、モロッコを味わい尽くすことができたからなのかな~~
どこにあるのかどんな国なのか全く知識の無かったモロッコですが、モロッコってどんな国?と聞かれたらいろんなエピソードがすらすら出てくるくらいにはたっぷり味わい尽くすことができました。漠然としたアフリカのイメージとは全然違っていて、実際に自分の目で見る大切さといかに自分が何にも知らないかを痛感しました。出発前、「海外に行くといかに自分が無知だったかに気付けるよ」と言われていましたが本当にその通りで、経験者の言葉の重みがマシマシで感じられるようになりました。
言語の壁に悩み続け、異文化に困り果て、これまで体験したことのない種類の感情に向き合う2年でしたが、周りの人の温かさや親切さに助けられて、日々過ごすことができました。ボランティアとして何か役に立ちたくて来たのに、助けてもらうことばかりの自分に悔しいような情けないような歯がゆい葛藤もあったけれど、そういう優しさをありがとうと大切にこぼさないように受け取れるようになって楽になることもあると知りました。
環境を変えると知らないことがどんどん見えるようになって自分の世界が広がっていく感覚はとっても楽しくてわくわくする経験でした。社会人になってから「学ぶ」ということから遠ざかり、もちろん研修を受けたりする度にへぇとかほぉとか思ってはいたけれど、ずっと受け身でいたので、もっと知りたい学びたいと知らない世界をせっせと掘っていって出くわす刺激に脳みそも喜んでいた気がします。2年前の自分とは見えている世界が大きく変わりました。本当~~に世界には知らないことだらけ。
どんな2年だった?と聞かれるとなんだかまだうまく言語化できなくて、
日本での浅い経験値は環境が変わってしまえばほぼ役に立たず、活動はあんまりうまく行かなかった気がするし、別に必要とされてないんだろうなあ私はここで何してるんだろうなあもしかして人生の無駄遣いしてる?と思うことも多々ありましたが、
ここでぼんやり叶えたいなと思っていたことがふと振り返ってみたらたくさん達成できていたし、新たに叶えたいことやこれからやりたいこともムクムクと芽生えはじめていて、私なりに意味のある2年にできたんじゃないかと今は思うことができています。
ちなみにこの2年で役に立ったのはとりあえずやってみよう精神と、なんとかなる!という根拠のない自信でした。笑
モロッコのあんなことこんなことを発信するつもりで「モロッコ通信」なんて壮大なタイトルをつけてしまいましたが、実際には自分の半径数メートルの範囲で起こる出来事をつらつら書くのが精一杯で、私の知り得ることはほんの僅かなのに「モロッコでは」「モロッコ人は」と大きすぎる主語を書いていていいのだろうかと毎回びびりながら執筆していました。モロッコでぶつぶつ独り言、くらいのタイトルにしとけばよかった・・!
日本とモロッコは時差が8時間あって、いちばん誰かと喋りたい夕方~夜にかけてが日本の深夜なので、「面白いことがあったの聞いて聞いて!」とか「バチボコ怒ってるんだけど助けて!」とかタイムリーに連絡することが難しく、話したいときに話せる環境ではないからこそ、ひとつひとつの出来事をこうやって書き留めていくことで気持ちを整理できたし、心を鎮めることができました。笑
書くことがこんなにも救いになるなんて、書き始めた当初は思っていなかったです。それくらい私にとっては大事な場所になりました。
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました!ビスラーマ(さようなら)!
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