JICA海外協力隊の世界日記

La Vida Rica

Vida rica

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で退避一時帰国して3月末で一年がたちました。写真は任地で感染対策のため夜間外出禁止令が出る直前に撮った写真です。

成田空港に着いた日はとても寒くて雪が降っていたことを覚えています。任国ホンジュラスの感染状況は現在もあまり変わっておらず、任期中に再派遣にはなりませんでしたが、この1年間、JICAや大学などのオンラインセミナーに参加し、新しいことを学ぶ機会もありました。

特に、待機中隊員のために実施された語学研修では、任地では諦めかけていたスペイン語を再勉強し、協力隊に応募したときの「スペイン語を話せるようになりたい」という気持ちを思い出して、いつか中南米に恩返しをしたいという決意に繋がりました。

2枚目の写真は、任地で住んでいたアパートです。手洗い洗濯も虫や猫との共存も慣れると快適でした。

待機期間中は、自分が住んでいる地域に滞在している在日外国人の支援活動に関わる機会がありました。そこでは、自分自身が途上国で外国人として生活した経験がとても役に立ちました。語学の壁によって、情報や教育、就労、行政サービスを受ける機会が少なくなってしまうことを痛感しました。また、病気の予防や家計の工夫など、隊員が途上国で啓発することが、途上国から日本に来日した人たちにも必要なこともわかりました。

一方で、支援するだけではなく、外国人の方から学ぶことも沢山ありました。家族や宗教、民族のコミュニティの繋がりを大切にして生活することは、今のリモート中心生活のなかで実践していくべきだと考えさせられました。また、日本の食材を使って母国風の料理を作っているところは、隊員生活と同じだと思いました!

協力隊も外国人の方も、自分の意思で(いわゆる移民とよばれる方は家族の意向や他の要因もありますが)外国で生活することを選びます。必要な支援を受けられることに加えて、新しい環境でより良い活動や生活をしていくには最終的には自分次第だと私は思います。「その人の能力を高めて発揮できる」環境をつくることが、隊員活動でも在日外国人支援でも大切なことなのだと今は考えています。さらに、支援者と被支援者ではなく、友人として関係を築いていけたら良いと思います。

3枚目の写真は、任地のコーヒー農園で見つけたコーヒーの新芽です。農園の中で自然に発芽したものなので、このまま成長することはありませんが、みずみずしくてとてもきれいでした。普段気軽に安価で飲めるコーヒーも、生産国に住んで収穫の大変さがよくわかったので、産地を想って飲むようにしています。

協力隊として活動していくなかで、言葉もなかなか通じず、うまくいかないことばかりでした。さらにパンデミックが起こって退避帰国して日本で任期終了…それでも1年少し任地で過ごした経験から、帰国してからこれまで見えなかった世界が見えるようになったと思います。これからは、帰国隊員として経験を社会還元できるように、自分の役割を見つけて全うしたいと思います。

さて、このブログも今回で最後です。最後までお読みいただきありがとうございました。ホンジュラスをはじめ世界の多くの国で協力隊が再び活動する日がくることを祈っています!

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