YAPだより

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北村 義雄
(兵庫県)

ボランティア/職種
シニア海外ボランティア
電気・電子設備
派遣国
大洋州
ミクロネシア連邦 ヤップ州 州都コロニア
一言メッセージ
赴任先の病院でのメンテナンス依頼は電気以外にも様々なものがあります。現地の技術者の方と保守する模様や島での生活について紹介します。

 

病院内の水漏れ

2018.09.05

活動

(写真は自宅から見た日の出)

今回は専門的なお話で恐縮します。この病院の設備のメンテナンスをされている方は、すべてのジャンルについてメンテナンスすることが求められています。メンテナンスですから、大々的なことまではしませんが、建築、電気、機械、医療機器の多岐に渡っています。このヤップ州ヤップ島の人口は7千人で、そんなに専門家がいるわけでもなく、また例えば日本からこの島に来るためには週2回しかないグァムからの飛行機を利用するか、大きな荷物は週に1回程度の船便を利用するしかないところですから、自ずと何でもしないと病院機能が長期間低下する恐れがあります。その点からすると日本は分業化が進み、補修部品も短時間で手に入るなど、ここヤップに来て羨ましく思う次第です。

(写真は排水の終わったドレンパンと排水溝にゴムチューブを挿しているところです)

ここの病院に赴任して2か月余り経った頃、我々メンテナンス課に電話がありなにやらSOSの模様。若い技術者が「先生(筆者のこと)助けてもらえませんか」との依頼がありました。経験豊富な技術者二人は、明日にならないと出勤しないとのこと。とりあえず現場に行って見ると天井から大量の水もれ。そこで天井裏にはどうして行けるか案内してもらいました。若い技術者が脚立を用意し、「先生も登られますか」との問いに、「もちろん」と答え、水漏れ箇所まで行きました。見て即座にドレインパンに接続されているドレイン管の詰まりだとわかりました。ご家庭のクーラーで冷房をすると室内の冷気で室内機内が結露し生じた水がドレイン管を伝って屋外に排出されているのをご存じかと思います。これの規模の大きい室内機が天井内にあり、そこから水が発生し通常はドレインパンというお皿で受けてドレイン管で排水するようになっています。このドレイン管が、ゴミなどで詰まり、水があふれ出てきたのです。解決の方法は分かりましたので、ドレイン管を掃除するブラシなどがないか探すように指示したところ、若い技術者がゴムチューブを持ってきて、そのドレイン管の中に突っ込み、息を吹き込むことを数回していました。それはそれとして、ドレインパンから水が滴り落ちているので、ドレインパンの水を抜くための水を吸い込める掃除機とゴムホース、そして電源コードをメンテナンス部の事務所に取りに戻り、再度天井裏に運び込みドレインパンのところまで行きました。行って驚いたのは水が排水口から正常通り流れているではありませんか。そう、先程若い技術者がゴムチューブで息を吹き込んだのが功を奏したのでした。以前も詰まったときに先輩の方がそのようにしていたので、若い技術者も真似をしたと言われてました。技術の伝承です。私も学ぶ事が出来ました。

(写真は病院の点検口です)

次に、天井に入るために利用する天井点検口について少し触れてみたいと思います。日本と少し違っています。その違いは天井点検口の大きさと数です。この病院では、1m角の正方形で一棟に1ヶ所設けられています。日本では、45か60cm角のが数多く設けられています。この病院は天井懐が高いところでは3mもあり、天井内に点検用のキャットウォークの板が張ってあり、その上を移動出来るようにしています。また天井内に日本のような火災の延焼防止用の防火区画がなく、天井内の行き来ができます。日本では、天井内に防火区画が至る所にあり、この区画部分は壁になっていて移動できない、さらに天井懐が余り高くなく、ダクトなどが点検口周辺に張り巡らされているので、人がよじ登っても移動できる範囲が狭いため、数多くの点検口が必要になっています。

このようにまだヤップに来て間がないのですが、日本との違いを知りそして日本流で改善できるところがあれば改善しお手伝いをしたいと思っています。