JICA海外協力隊の世界日記

純風満帆なバウカウ生活

櫛風沐雨~今年の活動を振り返る~

どーも、真夏のクリスマスを迎えつつあるバウカウ在住、小林です。

表題の写真は、僕の同僚たちです。このポロシャツは毎年広島で行われる車いすテニス大会「ピースカップ」で広島県理学療法士協会所属の理学療法士がフィジオルームを運営する際に使用する服で、現在バウカウで障害者を支援している同僚たちに広島県理学療法士協会から寄付していただきました。ご協力いただいた皆様、ありがとうございます。

以下に、URLを載せておきます。

広島県理学療法士協会hpta.or.jp/

ピースカップhttp://www.bbbn.jp/~rommel/


さてさて年の瀬ですし、広く世の中にJOCV活動を広報するべきとおもいますので、今年の総括を。


僕の活動要請は地方病院理学療法科で標準的な理学療法診療ガイドラインを作成しながら同僚へ技術移転することです。

目標は以下の④点。
技術移転
①理学療法科受診患者数を増やして、診療経験の場を提供すること。
②診療患者数を増やすことで、同僚が診療経験の場を活用すること。
ガイドライン
③ICD(国際疾病分類)に沿って簡単な運動療法手順書を僕が作成すること。
④同僚が自ら必要とするガイドラインを作成すること。

それでは一つずつ、、、
①総患者数(延患者数):約2400人(1月~11月)

※整形外科診療補助は、キューバ人医師の通訳をしながら一緒にギプスを巻いたり創傷処置を行う。看護師の理学療法アシスタントが主に行う。(写真でいえば、両端の男性二人)

gurahu.JPG

毎月の平均病院稼働日を17日として、毎日11-12人診療していることに。同僚が僕を含めて5人なので、単純計算で1人が1日2人の診療を行った計算になります。

僕が来る前の2015年は約950人であったのと比べると、同僚が患者診療経験を得る場面を増やすことはできました。

grahu2.JPG
②同僚の診療割合:5割(5月~11月)
診療の中身をみると5割は僕が主に診療しており、あとの5割を4人で分けている計算となるので同僚が主体的に患者診療に関わるまでには至っていません。(理学療法患者のみ)


grahu3.JPG

③ICD(国際疾病分類)に沿って疾患ごとに運動療法の資料を僕が作成。例えば、M54.5の下背部痛に関しては簡単な運動療法手順書を作成。作成当初は使用されるも、彼らのデマンドに合致していないためか今は使用されず。

e4.JPG
④同僚が自らガイドラインを作成。同僚から「純がいる間に理学療法科の患者統計を出して、私たち(同僚)でガイドラインを作りたい」という意見が初めてでたので、一年分の患者統計を出して資料を渡し、現在作成中?笑

grahu5.JPG

変形性膝関節症の一年間の患者層、人数も少ないし30代も含まれているので診断に怪しさを感じます。(東ティモールでは整形外科は医師を介さずに理学療法士が直接診療もするので、同僚理学療法士が診断名を記載している)

ただ女性の50代以降が多いという点では日本と似ているかもしれませんね。(サンプル数が少ないので何とも言えなませんが、、、)


任期1年半での結果。
理学療法技術移転△
○同僚の診療経験の場を増やした
✖︎同僚が主体的に診療に携わる
理学療法診療ガイドライン△

○ICD(国際疾病分類)に沿って簡単な運動療法手順書を僕が作成

△統計資料を利用して同僚がガイドラインを作成中

データを見て分かるように

同僚の診療経験の場を増やした→同僚がJOCVの治療補助や見学する受動的な技術向上は可能

同僚が主体的に診療に携わる→受動的な学びで得た知識を実践で活用する(患者診療に応用する)ことは難しい

という結果になりました。

櫛風沐雨とは、「風雨にさされながら走り回って苦労する」ことを言います。

今年は病院診療に加えて、地域診療所や地域障害者施設、在宅障害者の訪問を地道に続けました。汗水流して「外」を走り回ったけれど同僚たちは風雨にさされることなく「内」にこもっていた、この一年を象徴するような言葉かなーと思います。

では原因は何か、、、

次回の記事にて考察していこうと思います。

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