2016/03/01 Tue
文化 生活
みんなあのね、「サンルイ浪漫」
私の住むサンルイは、セネガル北部に位置し、
モーリタニアとの国境近くにある町だ。
大西洋に面したセネガル川の河口に位置し、
大陸側(本土)、サンルイ島(中州)、大西洋側(砂州)と、
大きく3つのエリアに分けることができる。
かつてのフランス植民地支配の中心地がここにあり、
西アフリカ統治領時代の首都だった歴史がある。
当時、サハラ砂漠を越えてきた飛行機の中継地点ともなり、
星の王子さまで有名なサン=テグジュペリも滞在していた。
現在、サンルイ島の都市構造や歴史的建造群、植民地建築が、
ユネスコの世界文化遺産に登録されている。
17世紀にフランスの植民地として建設されたサンルイ島は、
19世紀中頃には都市化され、西アフリカのなかで、
経済的にも文化的にも重要な役割を果たした。
そして今、
西アフリカにおける植民地支配の歴史を静かに伝えている。
植民地建築は、コロニアル様式建築とも呼ばれている。
特にサンルイ島内は、コロニアル様式の建物ばかりだ。
当時の建物が、今でも残る。
人が住んでいたり、学校として使われていたり、
人々の生活が営まれている。
コーランを読む声がどこかから聞こえ、
子どもたちの笑い声が響き渡り、
食卓のにおいがどこからか漂ってくる。
心が躍るような鮮やかな建物の色彩と人々の活気、
時間が止まったような古い町並。
島内を歩いていて気が付くことだが、
サンルイ島内の建物の壁は、黄色が多い。
黄色は、フランス人にとって南を表現する色だ。
実際、フランス南部には、黄色い壁の建築が多いそうだ。
壁を黄色く塗ることで、南の地に立つ建築であることを
建築家たちが表現したという。
都会の喧騒が似合わない町である。
静かに時が流れていく。
夕暮れ時になると、ノスタルジックな雰囲気だ。
ここが、旧都サンルイ、私の住む町である。