JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「春休み」

セネガルは今、春休みだ。

パック休暇と呼ばれるこの春休み、2週間ほど学校は休みになる。

パックとは、別名パスハとも呼ばれていて、

英語ではイースター(復活祭)という。

イエスキリストが復活した日を祝うことから始まったものだ。

植民地時代のセネガルの宗主国である

フランスでも春にパックという祝日があり、

現在では春の到来を祝う祭りとして親しまれている。

ここセネガルに住む人のその多くがイスラム教徒であるが、

キリスト教徒の人もいる。

フランスでは春の到来を祝うが、

ここセネガルは、内陸部は40度を超える日が続いている。

春の到来を感じる季節ではないが、

家族や親せきが集まって祝うと聞いた。

セネガルは、キリスト教の祝日もイスラム教の祝日もあり、

7月から3か月間は長い長期休暇があり、

日本人の私にとっては、学校の休みが多いという実感だ。

春休みの子どもたちは、

男の子はお父さんの仕事を手伝ったり、

女の子はお母さんの家事を手伝ったり、

それが終われば、友だち同士で遊んだり、

イスラム教徒の子どもたちはコーランを学びに出かけている。

上の写真はテーブルフットボールを楽しむ子どもたち。

テーブルフットボールはセネガルの子どもたちに人気で、

私の住むサンルイだけでなく、首都ダカールをはじめ、

セネガルの各地で子どもたちが楽しんでいる。

街路樹の木陰にテーブルが置かれていることが多く、

夕方、日が傾き、涼しくなってきたころ男の子たちが集まってくる。

小学生から高校生くらいの幅広い年齢層の男の子たちが、

夢中になって棒を握り、選手を動かして熱い戦いを繰り広げている。

1人対1人でプレーをすることもあれば、

2人対2人でペアを組んでプレーすることもある。

高校生と小学生がペアを組んで遊ぶ姿は微笑ましい光景である。

両親の仕事や家事を手伝い、コーランを学びに出かけ、

空いた時間は子どもたち同士集まって遊び、忙しい。

キリスト教徒の子どもたちは、

パック(イースター・復活祭)に向けての準備の手伝いもしている。

その手伝いをしている子の手伝いをするイスラム教徒の子もいる。

イスラム教徒はキリスト教徒のお祝いの席で

豚肉を食べたりお酒を飲んだりすることはできないが、

イスラム教徒のお祝いの席にいっしょキリスト教徒の方が招待され、

ヒツジや鶏の肉をいっしょに食べることがある。

セネガルにはカトリック系の学校もあるが、

その学校には、宗教に関係なく子どもたちが通っている。

イスラム教徒の男性とキリスト教徒の女性が

ここセネガルで結婚した話を聞いたこともあるし、

私のセネガルでのお母さんは、

「異教徒であっても本人同士が望み、

教養のある人だったら息子の結婚を許す」と言っていた。

セネガルで暮らしていると、

宗教の共存について考えさせられることがたくさんある。

宗教の共存と言うとあまりに簡単な表現な気もするが、

このような光景がいつまでもセネガルにあってほしいと思う。

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