JICA海外協力隊の世界日記

クズ・ザンポーラ♪ 幸せの国の農場便り♪

パロ・ツェチュ♪

クズ・ザンポーラ♪ 世界中の皆さんこんにちは♪

日本は既に、桜も満開を迎えて春真っ盛りと言った状況かと思いますが、自身の任地であるパロ県では先日、一年間で最も大きいお祭りが行われ、今回はそのお祭りについてご紹介します♪

まず、このお祭りはブータンでは「ツェチュ」と呼ばれ、このツェチュと言う意味はそもそも「10日」と言う意味で、これはブータン暦で月の「10日目」に当たる日を祝う宗教的な行事になります。

では、何故「10日」となるかと言うと、これは8世紀にチベット仏教をヒマラヤ一帯に伝えた、ニンマ派の祖師グル・リンポチェ(パドマサンバヴァ)の生まれた日が10日であり、彼の生涯の出来事を表現した内容がこのお祭りで色鮮やかで多彩なダンスや余興として現されております♪

そして、このお祭りが有る場所にはそのグル・リンポチェが戻って来て、それを再び目の前で拝み、法要を行うと言う一年の内でも大切な日とされております。

このツェチュはブータンの各県及び各地域でそれぞれ異なる時期で存在しますが、今回ご紹介するパロ県のツェチュはブータン国内でも最大で、今年はお祭りのクライマックスとなる最終日が土曜日で、加えてキリスト教圏ではイースター(復活祭)の連休とも重なり、欧米等の外国や首都を始めとした地域から多くの観光客が訪れておりました。

(昨年もこのお祭りには参加しましたが、その時よりも参列者数は多い印象でした!)

そして、このパロ・ツェチュは全5日間(広義では、ゾンダカと言う地域の古いお寺から始まり、終わりもそのお寺からとなる為、全日程は7日間とも言われます!!)の日程で催され、パロ・ゾン(県の行政・宗教・軍の中心地で県庁の様な存在)の上に有る、デヤンカ広場で行われます。

このお祭りは日本のお祭りとは異なり、娯楽を目的としてはおらず、宗教教義に基づく儀式や法要を現している為、宗教色が強いです。

ただ、その宗教教義をチャムと言うマスクダンスによる踊り手達で表現され、色鮮やかで荘厳なマスクを被った僧侶による踊りやアツァラと言う道化役の動き等で楽しい部分も有ったりします。

恐らく、かつては言語が判らない人でも難しい宗教教義をこのチャムによる踊りで判り易く伝えていたのでは無いかと感じました。

また、幾つか有る踊りの中でも、閻魔大王の法廷をモチーフにした「ラクシャ・マンチャム」と言う踊りは、白神と黒魔が登場して、閻魔大王による天秤をかけて裁かれるシーンはブータンの人でも人気で有名な踊りの一つとされます♪

さらに、これはこのお祭りの為に来た参列者達が上の二つの写真にも有る「トンドル」と言う大きな掛軸にブレッシングをしているトコで、この言葉の「トン」とは「見る」、「ドル」とは「解脱」を意味し、つまり「見るだけで解脱が出来る」と言う事で、大変ご利益の有るものとされます。

このトンドルには先に紹介した、グル・リンポチェを主尊として描かれ、総絹による縫い合わせで作られています。なお、このトンドルはお祭りの最終日の未明の暗い内にご開帳され、朝日が昇るころ法要が始まります。

私も最終日は朝日が昇る頃に、会場へ向かい、今回はこのトンドルの前に進み、その裾を額に当てて、今年の無病息災を祈りました。

この様にブータンでは各地域でこのツェチュと言うお祭りが催されますが、今回はこのパロ・ツェチュにおいて、ブータンの現国王と現首相も参列し、私はそれぞれを拝見する事が出来て、ブレッシングまで行えて、これから残り約半年間程の活動の成功を祈る良い機会となりました♪

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ