JICA海外協力隊の世界日記

音楽を楽しもう♪ 音楽でつながろう♪

スリランカで音楽教育の普及 後半戦

 あと10ヶ月。早くも残り日数が少ないなぁ…と感じるようになりました。

 私の活動の要請内容は、西洋音楽教育の普及を手伝うこと…なんですが、正直なところもっとこうだったらいいのになぁ…と思うことがたくさんあり過ぎて、本当に必要なことで自分ができることを吟味していかないとやりきれない…と思いつつ作業をこなす毎日です。

 協力隊の仲間から、「任国の教育内容が理論に偏っている」とよく聞きます。スリランカにいるボランティアだけではありません。

 でもよく考えると、日本の音楽教育も今は「感じること」を大事にしていますが、私が子どもだった時は今よりも楽譜を読んだり書いたりする時間が多かったと思います。日本でも、まず形を取り入れて、それから内容の精選を模索してきたのだとあらためて思います。そんな中、現在スリランカに来ている日本人ボランティアと話をすると、音楽のボランティアでなくても、「音楽大好きです。」とか、「楽器を持ってきました。」なんていう人が少なからずいて、数年前まで学校で教員をしていた私は、こういう人達が育ったことが日本の音楽教育の成果だと感じ、「日本の音楽教育万歳!」なんて心の中で思っています。

 一方、スリランカでは、日本の音楽大学でも教えていないんじゃないかと思うような難しい音楽理論が中高生にあたる子ども達の学習内容に含まれています。また、国際理解の意味もあり、授業は公用語の1つである英語で行われます。なので、授業を見せてもらうと、音楽の授業ではなく、数学の授業か英語の授業のようになってしまっていることも少なくありません。それでいて、先生すら楽器に触れる経験が少ない、そもそも楽器がない、あるいは壊れていて直せない…などの問題があります。日本の学校で、ある程度良い状態のピアノを当たり前のように使っていたことが、本当に恵まれていたんだと痛感します。

 今のスリランカの学校に、どうしたらどのようにスムーズに音楽を楽しいと感じるような授業ができるようになるのか…。授業内容や先生達が身につけるといい技能など、いろいろな提案をしていきたいと思います。

 そんなスリランカに派遣されている音楽のボランティアは現在4名。地方の子ども達を対象に活動をする人、教員養成大学で教える人、楽器修理を専門とする人、そして西洋音楽教育の普及を手伝う私です。それほど大きな国ではなく、音楽に直接携わる人も限られているので、お互いの情報がとても有益なことが多く、情報交換しながら活動できることをありがたく思いながら活動しています。

 上の写真を撮っていただいたこの日は、教員養成大学の授業に音楽のボランティア4人がそろうことができたので、一緒に授業に参加しました。授業の内容はもちろん、みんなで演奏するって楽しい…って伝わったらうれしいなと思います。

 こちらはスリランカによくある、窓のない教室。風通しがいいです。雨が降ってもすぐに乾きます。黒板横に特別に造られている棚には仏像が置かれています。

 スリランカにリコーダーが普及し始めています。これは代々のボランティアの活動とスリランカの先生方のご努力の成果だと思います。緑に囲まれての練習は気持ちいいです。先生も生徒も音楽を楽しんでほしいと願います。

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