JICA海外協力隊の世界日記

”おいしい”を世界に‼~モロッコ料理修行~

ひつじ犠牲祭2016 ~最終章~

BBQコンロの炭火もよく温まり、心臓、肝臓を油の膜(横隔膜かなにか)で巻いた串焼きが焼かれます。

胃と腸と肺は、スパイスや香草とともに圧力鍋で煮込み、翌日のお昼に供されました。

立派な角が生えた頭と4本の足は、近所の青年たちが用意した焼き場で真っ黒になるまで焼き、そのあと焦げをそぎ落として、きれいに洗い、2~3時間ほど蒸して、クミンと塩で頂きます。

同僚家族は連日のひつじフルコースを、和やかに和気あいあいとテーブルを囲み、訪ねてくる親族とともに日本のお正月のように過ごしていました。

私は今回、初めて動物が食肉にかわる一部始終に立ち会いました。

ライードのお祭りは、神に生贄を捧げる神聖な行事…というイメージだったのですが、私が参加して感じた印象は、もっとカジュアルな国民行事という感じでしょうか。

正直なところ、BBQコンロの横で首を切られるひつじの気持ちを考えると、とてもやりきれなくなり、その最中も涙が出ましたし、その尊いお肉も心から美味しいとは感じられませんでした。

帰りのバスで、故郷を後にするモロッコ人の青年と隣になりました。

青年「ライードはどうだった?たくさん食べたかい?」

私「ひつじがかわいそうで、ショックであまりお肉はたべられなかったよ」

青年「毎年のことだからかわいそうとかは何も思わないよ」

私「そう…。モロッコ人はなんのためにライードをするの?」

青年「イスラム教の行事だからさ。久しぶりに故郷に帰って、親戚や兄弟、友達と会って、みんなでテーブルを囲んでゆっくり時間を過ごす。とても大事なことさ。」

初めてのライ―ド。日本では、なかなか出来ない体験でした。

しかし、モロッコでも日本でも、普段食べているお肉は、こうして毎日誰かの手で“食べ物”へと変えられているんだなぁと。

それと、モロッコの人々は、家族との時間を本当に大切にします。ライードのあった週は、ほとんど仕事もストップし、みんなが故郷に帰るそうです。

今回はたくさんの発見と複雑な気持ちでいっぱいでした。少しの間はお肉は食べなくてもいいかなとも思います。

また来年もう一度参加するチャンスがあるので、+1年分モロッコに染まった自分の視点から、また新たな発見があるのかもしれません。 

おわり

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