JICA海外協力隊の世界日記

セルビア便り

ゴルバッツのはなし その2

Zdravo! ズドラヴォ

セルビア観光隊員の星野です。

こちらはゴルバッツ要塞の一番高い塔、

Šešir kula/帽子の塔を登っています。

要塞には全部で9つの塔と、資料館があり

チケットの色によって見られるエリアが異なります。

今回は緑青赤黒あるうち、Šešir kula含め全エリア可の黒チケット。

チケット購入に際し、念入りな服装と靴のチェックをパスし、

事故やケガに関する自己責任書類にもサインし、

わくわく入城!

、、、

、、、

先にお伝えすると、高所恐怖症の方は緑のチケットで十分楽しめます。

黒は、、、とっても、、、スリリングでした、、、

帽子の塔は要塞の最奥、一番古いパートに位置し、

崩れかけた岩壁を、鎖をたよりに登っていきます。

セーフティネットも何もありません。

しかも、至るところに毒蛇注意の看板。泣

なるほど最初の入念なチェックはこのためか、と思う頃にはもう遅かりし。

しかし、文字通り命がけで登った先の景色は絶景で

今まで見たことのない景色が広がります。

そびえたつŠešir kula
のぼり.jpg

くだり.jpg

帽子の塔.jpg

このゴルバッツ要塞を入口に

先はカルパチア山脈を切り開く欧州最大の峡谷、ジェルダップ峡谷が広がっています。(国立公園・UNESCOジオパーク)

古くからこの辺りは「鉄門」とよばれ、ローマ帝国時代のリメスとよばれる防砦/国境線が残っています。

今回は見られなかったのですが

少し先には、9000年前の姿を残す中石器時代の集落、Lepenski Vir レペンスキ・ヴィールの遺跡や、マンモスの化石、ローマ帝国軍の広大な駐屯地跡がみられるViminacium ヴィミナチウム考古学センターがあります。

また、岸壁にそびえるダキア(現ルーマニア)王 デケバルスの石像や、ローマ帝国トラヤヌス帝の対ダキア戦勝記念碑を船上から望むツアーも人気です。

半魚人信仰があった、レペンスキ・ヴィール。国立博物館で撮影半魚人.jpg
デケバルス王とトラヤヌス帝の石碑。Wikipediaより借用デケバルス.jpgトラヤヌス帝.jpg


9番目.jpg話は戻って、帽子の塔を降りて、他の塔も見学します。

歴史資料が展示してある塔や、新しい資料館も城内にあるので、全部を見て回ると2時間は優にかかります。

城壁に腰掛けたり、たべものを食べたり、違反行為があると途端にホイッスルが吹かれて

皆、なにごとかと顔を見合わせます。まるでサッカーフィールドにいるようです。

要塞の手前には、オスマントルコ時代のハマム(蒸し風呂)の跡も残っています。

手前にハマムが見えます。半地下の造り。ハマム.jpg

ゴルバッツ要塞をしっかり堪能して、

次は、今夜の宿があるゴルバッツの町を目指します。

川沿いの道路は車が多く、歩道もほとんどないので

眺望を望める峡谷の尾根を歩いていくことにしました。

2時間ほどのハイキングの途中、古い採石場跡を見ることもできました。

右奥に要塞。対岸はルーマニア。河川輸送用の細長い貨物船も見えます。採石場.jpg

trail.jpg

水源豊かなセルビア、トレイルの最後にはおいしい峡谷の水が湧き出ています。

町のひとも、旅人も、皆のどをならして飲んでいきます。


ゴルバッツの町は、川に沿った半月型の小さな町で

川魚料理が有名です。

とても穏やかで、川の波音を聞いていると時間を忘れてしまいそうです。

ビーチもあり、(そう、内陸国のセルビアですが、川岸には素敵なビーチが沢山あります)

翌日の昼食後、昼寝をするのにぴったりでした。

とても、よい場所でした。

炭火でじっくりふわふわ。コイやパーチ、ナマズなど川の恵みをいただきます。さかな.jpgbeach.jpg

ゴルバッツ要塞公式HP(英語)

2回に渡り読んで下さり、ありがとうございました。

それでは、また次回。

Ćao!

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