2024/09/26 Thu
観光
ゴルバッツのはなし その2
Zdravo! ズドラヴォ
セルビア観光隊員の星野です。
こちらはゴルバッツ要塞の一番高い塔、
Šešir kula/帽子の塔を登っています。
要塞には全部で9つの塔と、資料館があり
チケットの色によって見られるエリアが異なります。
今回は緑青赤黒あるうち、Šešir kula含め全エリア可の黒チケット。
チケット購入に際し、念入りな服装と靴のチェックをパスし、
事故やケガに関する自己責任書類にもサインし、
わくわく入城!
、、、
、、、
先にお伝えすると、高所恐怖症の方は緑のチケットで十分楽しめます。
黒は、、、とっても、、、スリリングでした、、、
帽子の塔は要塞の最奥、一番古いパートに位置し、
崩れかけた岩壁を、鎖をたよりに登っていきます。
セーフティネットも何もありません。
しかも、至るところに毒蛇注意の看板。泣
なるほど最初の入念なチェックはこのためか、と思う頃にはもう遅かりし。
しかし、文字通り命がけで登った先の景色は絶景で
今まで見たことのない景色が広がります。
そびえたつŠešir kula
このゴルバッツ要塞を入口に
先はカルパチア山脈を切り開く欧州最大の峡谷、ジェルダップ峡谷が広がっています。(国立公園・UNESCOジオパーク)
古くからこの辺りは「鉄門」とよばれ、ローマ帝国時代のリメスとよばれる防砦/国境線が残っています。
今回は見られなかったのですが
少し先には、9000年前の姿を残す中石器時代の集落、Lepenski Vir レペンスキ・ヴィールの遺跡や、マンモスの化石、ローマ帝国軍の広大な駐屯地跡がみられるViminacium ヴィミナチウム考古学センターがあります。
また、岸壁にそびえるダキア(現ルーマニア)王 デケバルスの石像や、ローマ帝国トラヤヌス帝の対ダキア戦勝記念碑を船上から望むツアーも人気です。
半魚人信仰があった、レペンスキ・ヴィール。国立博物館で撮影
デケバルス王とトラヤヌス帝の石碑。Wikipediaより借用
話は戻って、帽子の塔を降りて、他の塔も見学します。
歴史資料が展示してある塔や、新しい資料館も城内にあるので、全部を見て回ると2時間は優にかかります。
城壁に腰掛けたり、たべものを食べたり、違反行為があると途端にホイッスルが吹かれて
皆、なにごとかと顔を見合わせます。まるでサッカーフィールドにいるようです。
要塞の手前には、オスマントルコ時代のハマム(蒸し風呂)の跡も残っています。
手前にハマムが見えます。半地下の造り。
ゴルバッツ要塞をしっかり堪能して、
次は、今夜の宿があるゴルバッツの町を目指します。
川沿いの道路は車が多く、歩道もほとんどないので
眺望を望める峡谷の尾根を歩いていくことにしました。
2時間ほどのハイキングの途中、古い採石場跡を見ることもできました。
右奥に要塞。対岸はルーマニア。河川輸送用の細長い貨物船も見えます。
水源豊かなセルビア、トレイルの最後にはおいしい峡谷の水が湧き出ています。
町のひとも、旅人も、皆のどをならして飲んでいきます。
ゴルバッツの町は、川に沿った半月型の小さな町で
川魚料理が有名です。
とても穏やかで、川の波音を聞いていると時間を忘れてしまいそうです。
ビーチもあり、(そう、内陸国のセルビアですが、川岸には素敵なビーチが沢山あります)
翌日の昼食後、昼寝をするのにぴったりでした。
とても、よい場所でした。
炭火でじっくりふわふわ。コイやパーチ、ナマズなど川の恵みをいただきます。
2回に渡り読んで下さり、ありがとうございました。
それでは、また次回。
Ćao!
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